2011 Fiscal Year Annual Research Report
キメラ分子による好塩基球活性化の制御とスギ花粉症の新規治療
Project/Area Number |
22591896
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 武千代 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (70283182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 雅文 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (40555455)
窪 誠太 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (80401983)
藤枝 重治 福井大学, 医学部, 教授 (30238539)
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Keywords | スギ花粉症 / 好塩基球 / IL-4 / アレルギー / TSLP / Th2 |
Research Abstract |
1.スギ抗原で刺激されたヒト好塩基球の培養上清で気道粘膜由来線維芽細胞を作用させると、機能性DC2を介して炎症性Th2細胞に分化させるTSLPが分泌されること、刺激ヒト好塩基球の培養上清による線維芽細胞からのTSLP産生は抗IL-4Ra(CD124)阻止抗体、抗ヒスタミン(H1)受容体抗体の処理により有意に減少することを明らかにした。 2.スギ抗原刺激によりヒト好塩基球からのヒスタミン遊離とIL-4とIL-13の産生が有意に増加することを確認した。 3.気道粘膜由来線維芽細胞にIL-4存在下でヒスタミンを付加するとTSLP産生は有意に増強した。NF-κB阻害剤はヒスタミンによるTSLP産生増強を一部解除した。 4.スギ花粉症でも好塩基球がIgE依存性アレルギー疾患の責任細胞であり、Th2応答や適応免疫応答である2次抗体産生を制御していると考えられる。好塩基球は、アレルギーなどの抗原特異的な免疫反応で、司令塔として重要な役割を果たしていると考えられる。 5.ヒト気道由来線維芽細胞では、TLR3リガンドであるpoly (IC)単独刺激によりTSLP産生が強く誘導され、IL-4単独、IL-4+poly (IC)刺激にても有意に増加した。 6.Btype CpGにより気道粘膜由来線維芽細胞からのpoly (IC)誘導TSLP産生は80%有意に抑制された。 7.気道粘膜由来線維芽細胞からのIL-4+pOly (IC)誘導TSLP産生はBtype CpGにより85%抑制されたが、CtypeCpGでは変化がなかった。 8.poly (IC)により気道粘膜由来線維芽細胞のc-Jun N-terminal kinase (JNK)活性化が誘導された。Btype CpGによりpoly (IC)誘導JNKの活性化が抑制された。JM(阻害剤であるSP600125処理によりpoly (IC)誘導TSLP産生は強く抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スギ抗原で刺激されたヒト好塩基球の培養上清で気道粘膜由来線維芽細胞を作用させると、機能性DC2を介して炎症性Th2細胞に分化させるTSLPが分泌され、刺激ヒト好塩基球の培養上清による線維芽細胞からのTSLP産生は抗IL-4Ra(CD124)阻止抗体、抗ヒスタミン(H1)受容体抗体の処理により有意に減少することを明らかにした。スギ抗原刺激によりヒト好塩基球からのヒスタミン遊離とIL-4とIL-13の産生が有意に増加することを確認した。ヒト気道由来線維芽細胞では、TLR3リガンドであるpoly(IC)単独刺激によりTSLP産生が強く誘導され、IL-4単独、IL-4+poly (IC)刺激にても有意に増加することを証明するなど、実験計画時に予想した結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
キメラ分子を用いて、スギ抗原刺激によるヒト好塩基球からのヒスタミン遊離とIL-4とIL-13の産生に影響を与えるか検討する予定である。ヒト好塩基球の培養上清によるヒト気道由来線維芽細胞のみならず、気道由来の粘膜上皮からのTSLP産生なども検討する予定である。
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[Journal Article] A randomized, double-blind, placebo-controlled study of ten-cha (Rubus suavissimus) on house dust mite allergic rhinitis2011
Author(s)
Yonekura S, Okamoto Y, Yamasaki K, Horiguchi S, Hanazawa T, Matsune S, Kurono Y, Yamada T, et al
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Journal Title
Auris Nasus Larynx
Volume: 38
Pages: 600-607
DOI
Peer Reviewed
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