2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児スギ花粉症の舌下免疫療法と誘導性制御性T細胞およびIgG4による作用機序解明
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22591897
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
湯田 厚司 三重大学, 大学院・医学系研究科, リサーチアソシエイト (80293778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石永 一 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (50335121)
山中 恵一 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70314135)
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Keywords | 舌下免疫療法 / スギ花粉症 / 小児 / IgG4 / IL-33 |
Research Abstract |
スギ花粉症の新しい治療法として舌下免疫療法に期待が寄せられている。我々は、本邦で初めて小児スギ花粉症の舌下免疫療法を開始し、小児では成人よりも良好な成績を報告してきた。効果の高い治療であるが、未だに舌下免疫療法の作用機序は完全に解明されておらず、今後の課題である。これまでの検討で、免疫療法例により制御性T細胞のなかでIL-10を産生する誘導型制御性T細胞が増加することを報告してきた。IL-10は遮断抗体とされるIgG4を誘導するとされるので、小児例のIgG4の変動を検討することとした。 小児40例に舌下免疫療法を行い、前後での末梢血清で検討を行った。また、2月から4月の臨床症状を記録し、効果とパラメーターの変動を検討した。IgG4は、舌下免疫試行前から施行後にかけて増加していたが、有意な差とはいえなかった。しかし、花粉飛散期の毎日の鼻症状をガイドラインに従ってスコア化し、中央値で有効群と無効群に分類すると、有効群で有意にIgG4の増加が見られた。IgG4はIL-10に誘導される可能性があるので両者の関係をみたが、有意な相関はなかった。これらの結果をふまえて、本年度にその他のサイトカインの検討も追加検討した。アレルギーに関係の高いIL-31,IL-33,IL17Aを検討したところ、IL-31とIL17Aには変化がなかったが、IL-33は無効群で増加する傾向にあった。本研究のみで免疫療法の機序の解明には至らないが、今後の展開の参考になると思われる。現在も小児スギ花粉症の舌下免疫療法を継続しており、小児と成人例での違いなどの検討を次年度にかけて行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目を終了し、目的の検討研究の達成をしており、さらに追加した検討も行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに遂行しており、次年度はその最終のまとめを行う。なお、舌下免疫の治療患者は継続しており最終年度にも継続して行われる。
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Research Products
(4 results)