2011 Fiscal Year Annual Research Report
立体画像表示システムを用いた鼻副鼻腔ステレオナビゲーション手術術式の研究
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22591903
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鴻 信義 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90233204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 麻木 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90312024)
吉川 衛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50277092)
松脇 由典 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60287290)
飯村 慈朗 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60317930)
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Keywords | 鼻 / 副鼻腔 / 手術 / 立体内視鏡 / ナビゲーション |
Research Abstract |
立体内視鏡画像に患者の副鼻腔や周辺臓器の3次元グラフィックモデルを重畳表示するステレオナビゲーションシステムを改良し、機能を発展させた。本システムを活用すれば、複雑で個人差が大きな副鼻腔内における術野の3次元・立体的なオリエンテーションを直感的に認識できる。また骨壁や軟部組織の裏面の状態が透見できる。従来の内視鏡手術よりも飛躍的に安全・的確な手術操作が可能となる。 本年度の研究では、3次元臓器モデルのcolor codingを改良し辺縁を強調して内部を透見させる事で、奥行き方向への遠近感表示および立体内視鏡モニター上での描出を向上させた。また、30°前方斜視鏡の画像上にも3次元臓器モデルを重畳表示させることに成功した。これにより、斜視鏡下でのステレオナビゲーション表示も可能となったため、副鼻腔手術において最も難しくまた副損傷も多い前頭洞へのアフローチが、的確に支援されるようになった。 上記の改良型ステレオナビゲーションシステムを使用し、実際に3症例の手術を行った。まず、術前に撮影された副鼻腔CT画像を慈恵医大高次元医用画像工学研究所にて解析した。CT画像の中から後部篩骨洞と蝶形骨洞、前頭洞、眼窩内側壁、視神経、内頸動脈などの重要構造物をセグメンテーションし、それぞれ色付けした。ステレオナビゲーションシステムは、(1)立体内視鏡、(2)光学式三次元位置計測装置、(2)立体内視鏡の画像上に患者臓器の3次元モデルを重畳表示するGraphic workstationから構成される。セットアップを完了させ、実際に立体内視鏡下のステレオナビゲーション手術を行った。手術野とその周辺解剖がより直感的に認識できる事は、安全な手術操作を支援すること、また教育にも優れたツールであることを確認した。ただし、手術中の画像表示の誤差は3mm以内で安定するようになった。術中、重畳表示画像と通常の画像をいつどのような状況で使い分けるのが良いかについても検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究で最大の課題であった、前方斜視鏡下の重畳画像表示システムの開発に成功した
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Strategy for Future Research Activity |
本システムの安全性をさらに向上させるため、誤差をさらに縮小する必要がある。また、今後は70度前方斜視鏡に重畳表示システムを使用できるようにしたい。
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