2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591911
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
早水 佳子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (70535666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒野 祐一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
松根 彰志 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (00253899)
宮下 圭一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30585063)
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Keywords | Phoshorylcholine(PC) / 舌下免疫 / 経鼻免疫 |
Research Abstract |
現在ワクチン抗原として、グラム陽性菌及び陰性菌の細胞膜に存在する多糖性構造物として知られているPhosphorylcholine(PC):(肺炎球菌、インフルエンザ菌に存在する抗原)を用いて抗原特異的粘膜免疫誘導を観察した。マウスは、BALB/cを用い、以下の3群に分けて免疫を行った。 (1)PC舌下免疫投与群(2)PC経鼻免疫投与群(3)コントロール群:舌下に対照液を投与する群免疫は、週に1回、3週にわたって投与を行った。舌下免疫及び、採血は、ケタラールにより麻酔を施行した後に行った。免疫終了後の翌週(4週間後)に、検体を採取した。また、実験データの安定化を狙うべく、3回同様の実験を行った。検体は、血清、唾液、鼻腔洗浄液、膣洗浄液、脾臓を採取した。血清のIgG,IgM,IgAを測定したところ、コントロール群と比較し、有意に舌下免疫群、経鼻免疫群は、上昇していた。IgGサブクラスについても、検討を行ったが、同様に免疫群は上昇していた。唾液、鼻腔洗浄液、膣洗浄液においての検討でも、免疫群においてはPC特異的な抗体産生値は同様に上昇していた。脾臓のCD4陽性T細胞の解析をMACS法にて分離採取して、サイトカイン(IFN-γ、IL-4)産生能をELISA法にて測定した。コントロール群においての上昇は認めなかったが、免疫群において上昇しており、その値には両者差を認めた。 以上の結果により、舌下・経鼻免疫により、全身系の作用が働いており、かつその免疫獲得経路は異なった原理で起こっているのではないかということが推測された。
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