2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591911
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
早水 佳子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70535666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒野 祐一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
宮下 圭一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30585063)
永野 広海 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60613148)
牧瀬 高穂 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (30585120)
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Keywords | ワクチン / 舌下免疫 / 経鼻免疫 / ホスホリルコリン / コレラトキシン / 特異的抗体価 |
Research Abstract |
ワクチン抗原として、これまで使用していたPC-KLHの代わりに可溶性カチオン化PC(リピジュア)を舌下、経鼻投与して、PC特異的免疫応答について検討した。 1)血清中のPC特異的抗体価:リピジュア群は、コレラトキシンのある・なしに関わらず、舌下・経鼻ともコントロールと比較してIgM・IgG・IgAの全てに高い値を認めた。一方、PC-KLH群は、コレラトキシンありの場合は、全て上昇していたが、PC-KLH単独の場合、コントロールと比較してIgMの上昇は認めなかった。また、リピジュア群は、コレラトキシンあるなしに関わらず、IgM,IgG,IgAの全てがほぼ同等の値を示した。しかし、PC-KLH群は、コレラトキシンある・なしを比較した場合、舌下ではIgM,IgG,IgAにおいて、経鼻ではIgGにおいて、有意差をもってその値が変化し、PC-KLH単独では低くなっていた。 2)リピジュア刺激による血清中の特異的IgGサブクラス:IgG1とIgG2bは、やや経鼻が高いものの舌下と経鼻に差は認めず、IgG3は、やや舌下が高いものの舌下と経鼻に差は認められなかった。一方、IgG2aは、有意差をもって舌下が高い値を示した。これは、以前我々がPC-KLHで検討したサブクラスの結果と同様であった。 3)リピジュア刺激による脾臓のCD4陽性T細胞のサイトカイン産生:脾臓からマイクロビーズ法を用いて、CD4陽性T細胞を分離し、ELISA定量して測定した。IFN-γは、舌下・経鼻ともほぼ同等でだったが、IL-4は、有意差をもって経鼻が高い値だった。これも、以前我々がPC-KLHで検討したサイトカインの結果と同様であった。 4)リピジュア刺激による粘膜面の特異的IgA:唾液、鼻腔と膣の洗浄液で検討した。コントロールと比べ、舌下は、唾液・鼻腔洗浄液・膣洗浄液全てにおいて有意な上昇を認めた。経鼻は、鼻腔洗浄液と膣洗浄液で上昇していた。舌下と経鼻を比較したところ、鼻腔と膣の洗浄液は、やや舌下が高いものの有意差はなく、舌下・経鼻の両者とも同等の反応であった。一方、唾液は、有意差をもって舌下が高い値を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経鼻投与により、我々が以前示していた結果と同様に、舌下投与によっても同じく血清、脾臓、膣、鼻腔内のPC特異的抗体価の上昇を示していることが分かった。これにより、舌下投与における全身免疫応答が行われているのではないかということが、推測されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
より簡便で安全なワクチン開発が望まれており、またNeedless(針なしによる投与)にも期待が高まっている。これより、今後の当科の研究課題としては、パッチ投与による免疫応答について追及したく、したがって、経皮投与による免疫応答について研究を重ね、またそれぞれの投与方法によりどのような経路をたどって、免疫応答が行われているのか、相違点を探っていきたい。
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Research Products
(5 results)