2011 Fiscal Year Annual Research Report
アデノ随伴ウイルスベクターとギャラニン受容体1型による頭頸部癌遺伝子治療
Project/Area Number |
22591916
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金沢 弘美 自治医科大学, 医学部, 助教 (40570643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 丈治 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20336374)
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20311938)
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Keywords | 遺伝子治療 / GALR1 / 癌抑制遺伝子 / 頭頸部癌 / AAV |
Research Abstract |
頭頸部癌は現在の治療では十分な治療効果が得られておらず,新たな治療法の開発が必要である.本研究はこれまで蓄積してきた基礎的知見を基にGALR1遺伝子を生体内に導入することによる新たな分子標的治療システムを開発することが目的である.GALR1の抑制は頭頸部癌の発癌に大きく寄与するものと思われGALR1の治療用遺伝子としての作用が期待される.この一方で,臨床応用を考えた場合,いわゆるDrug Delivery system(DDS)が重要となる.今回の研究では頭頸部癌に対する癌抑制遺伝子としての効果が確認されたGALR1を頭頸部癌細胞にアデノ随伴ウイルスベクターを用いて導入し,GALR1の治療効果を確認するとともに臨床応用を視野に生体に導入可能なシステムを確立することを目的として以下の研究を行った. AAVベクターの頭頸部癌細胞への遺伝子導入効率の検討と最適化. 様々な,血清型別にAAVベクターの感染効率を検討し最適な血清型を検討した結果,AAV2型が頭頸部癌に対しては感染効率が高くベクターとして最適と結論づけられた. GALR1発現AAVベクターの構築と遺伝子導入,殺細胞効果の検討. GALR1の発現プラスミドおよびAAVベクターを構築し予備実験を行ったところ安定発現の系では殺細胞効果が認められるものの,一過性発現の系では十分な殺細胞効果が認められない.更なる条件の設定が必要と思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに,アデノ随伴ウイルスベクターの構築は終了しており,最適な血清型に関する検討も終了も終了している.また,安定発現系における殺細胞効果はすでに検討済みでありAAVベクターの大量作成の手順も検討済みである.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究でGALR1の情報伝達経路および殺細胞効果の作用機序は細胞により若干の差異があるように思われる.この原因の一つとして,mitogen-actiated protein kinase(MAPK)の内在性発現レベル・活性化レベルが影響していることが推定されるが,今後は,MAPKとの発現レベルとの関連を検討することにより,GALR1の情報伝達系について,更に,詳細に検討する予定である.
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