2010 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌におけるプロスタグランジン受容体の解析とその臨床的意義
Project/Area Number |
22591923
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
河田 了 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40224787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 昊哲 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10368087)
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Keywords | プロスタグランジン / シクロキシゲナーゼ / 頭頸部扁平上皮癌 / 組織学的分化度 / 転移 / PGE合成酵素 / PGE受容体 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PGs)はアラキドン酸からシクロキシゲナーゼ(COX)を律速酵素として産生される生理活性物質である。各種PGのうちPGE_2は癌組織で過剰産生されており、その産生過程であるCOX、PGE合成酵素(PGES-1)が注目されている。今回、頭頸部扁平上皮癌組織を用いて、COX、PGES、PGE受容体の検討を行った。癌細胞のCOX-2は扁平上皮癌細胞質に発現が見られたが、また間質に浸潤した炎症細胞や、線維芽細胞にも発現が見られた。一方COX-1の発現は上皮組織にわずかにみられるのみであった。高分化扁平上皮癌と低分化扁平上皮癌を比較したとき、低分化扁平上皮癌で癌細胞におけるCOX-2陽性細胞の割合が少なかった。さらに、発現の分布をみると細胞質内の核膜近傍に強い発現が見られた。mPGES-1についてもCOX-2と同様な傾向がみられ、しかもCOX2とmPGES-1の局在はともに、細胞質内の核膜近傍に一致して発現していた。 RT-PCRを用いた検討では、COX、mPGES-1ともに高分化扁平上皮癌では有意に高い値を示した。 またCOX-2ではリンパ節転移を認めない症例で有意に高い値を示した。PGE_2には4種類の受容体があるとされ、その4種類について免疫組織学的に検討した。PGE受容体はそのすべてにおいて、癌細胞に発現がみられたが、その差異については明らかではなかった。癌予防薬について、最近報告されたCOX-2阻害薬の心血管系の有害事象を考えれば、その下流であるmPGES-1選択的阻害薬あるいはPGE受容体阻害薬に期待が集まる。
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