2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障の感受性遺伝子同定と罹患性診断、薬剤応答予測への応用
Project/Area Number |
22591928
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
布施 昇男 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10302134)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 臨床 |
Research Abstract |
日本人における緑内障感受性遺伝子同定のために、常染色体2番のGLC1B領域近傍(72~116Mb)の一塩基多型のスクリーニングを行った。第一スクリーニング計368サンプル、第二スクリーニング計400サンプルの後、開放隅角緑内障(POAG)に優位な5多型(p<0.05)、正常眼圧緑内障(NTG)に有意な1多型を得た。POAGに関しては、rs869833近傍の膜貫通型TMEM182遺伝子が相関していること、NTGに関しては、ミトコンドリアでの糖代謝に関係するHK2遺伝子が相関していることを明らかにした。またPOAGとNTGに関与する遺伝子群が異なっていることを明らかとした(Am J Hum Genet投稿準備中)。 マウスのモデルは、緑内障原因遺伝子解析に大きな手掛かりを与えてくれる。VAV2,VAV3欠損マウスは、隅角の形成異常を伴い、緑内障のモデルと考えられる。このVAV2,VAV3について、POAG、NTG、発達緑内障においてスクリーニングを行った。その結果、各種緑内障と正常対象との間に有意な差は認められず、VAV2,VAV3は緑内障の主たる原因遺伝子ではないことを明らかとした(Mol Vis投稿中)。また近年、発達(先天)緑内障に対して、LTBP2遺伝子が関与しているという海外からの報告がある。これを追試してみることを試みた。現在までのスクリーニングでは、日本人における発達緑内障にはLTBP2遺伝子は関与していないという知見を得た。日本人における発達緑内障の原因は海外(中東)におけるものと異なっていることが示唆された(Mol Vis投稿中)。このように遺伝子チップ、候補遺伝子解析の両面から解析を継続中である。
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Research Products
(1 results)