2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いた加齢黄斑変性の罹患感受性候補遺伝子の同定と遺伝子診断への応用
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22591939
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大石 健太郎 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教 (80345826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 克博 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60402260)
尾花 明 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 客員教授 (40194625)
堀田 喜裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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Keywords | 網膜光障害 / 連続戻し交配 / モリス水迷路 / アポトーシス / ラット / 加齢黄斑変性 / 感受性 |
Research Abstract |
ラット眼に強い光を照射すると、網膜外層において、視細胞や網膜色素上皮細胞のアポトーシスを伴う網膜変性を来たす(網膜光障害実験モデル)。この実験モデルには、系統差、つまり、ゲノム差に起因する表現型(感受性)の違いが認められる。そこで、この系統差の原因となる遺伝子を同定するために、この実験モデルに対して分子遺伝学的、動物行動学的な観点から検討を行っている。 平成22年度は、我々がそれまでに絞り込み、命名した、10Mb以下の染色体領域である網膜光障害感受性(Retinal Photic Injury susceptibility;RPI)-1領域およびRPI-2領域をさらに狭めるために、マイクロサテライト解析を引き続き実施した。そのために、戻し交配ラットの匹数を増やして、より詳細な検討を試みた。また、ウェブデータベース上のラットのDNA多型情報との比較検討の結果と併せて考察することで、領域幅をかなり狭めた。しかし、RPI-1領域はゲノム長としては既に相当短く、その範囲内で組換えが起きることが非常に低い確率でしか期待できないため、戻し交配を繰り返し行っても、遺伝子候補を絞り込むことが難しいと考えられた。そのため、全く別の系統のラットで、RPI-1領域のさらなる絞り込みに役立つ可能性があるDNA多型を持つ系統のラットに白色蛍光灯の光を照射し、実験を行ったところ、WKY系統と同様に、網膜光障害感受性を示した。このため、RPI-1におけるWKY系統との問で共通する領域のうち、LEW系統と異なる多型パターンを示す領域に絞り込んだところ、候補遺伝子数を劇的に減少させることができた。 一方、加齢黄斑変性の患者および対照者の血液検体の収集について、浜松医科大学および聖隷浜松病院の両倫理委員会に申請し、許可が得られたため、平成23年4月より血液検体の収集を開始する。 また、本研究内容に関して、特別講演を依頼され、講演した。
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