2011 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いた加齢黄斑変性の罹患感受性候補遺伝子の同定と遺伝子診断への応用
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22591939
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大石 健太郎 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 助教 (80345826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 克博 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60402260)
尾花 明 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 客員教授 (40194625)
堀田 喜裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
蓑島 伸生 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (90181966)
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Keywords | 網膜光障害 / 連続戻し交配 / モリス水迷路 / アポトーシス / ラット / 加齢黄斑変性 / 感受性 |
Research Abstract |
ラットに強い光を照射すると、網膜外層において視細胞や色素上皮細胞のアポトーシスを伴う網膜変性を来たす(網膜光障害実験モデル)。この動物実験モデルには、系統差、つまり、ゲノム差に起因する表現型(感受性)の違いが認められる。そこで、この系統差の原因となる遺伝子を同定するために、このモデルに対して分子遺伝学的、動物行動学的な観点から検討を行ってきた。 平成23年度は、これまでに我々が絞り込み、命名した、10Mb以下の染色体領域である網膜光障害感受性遺伝子領域-1(Retinal Potic Iury susceptibility-1 ; RPI-1)およびRPI-2の2つの遺伝子領域について、網膜光障害に対する両遺伝子の特性について検討した。この目的のため、感受性の評価指標として、光照射後の視力障害を水迷路行動で評価する方法に加え、ラット眼病理標本上での計測で得られる網膜変性度を新たな指標として導入した。これにより、RPI-1領域のみが光による網膜変性の感受性に重要であり、RPI-2領域内の多型に拘わらず、単独で網膜変性に寄与する一方、RPI-2領域に関しては、RPI-1領域の感受性多型との共存により水迷路行動に影響したが、網膜変性には関連しないことを明らかにした。この結果から、RPI-2領域については網膜変性を支配する責任遺伝子の研究対象から外すことにし、RPI-1領域の更なる限局化に取り組むことにした。次に、RPI-1領域内において組み換えが起こっていた18匹のBC-4ラットのゲノムに対して多型解析を行い、多型パターンと網膜変性度の関係を調べたところ、光による網膜変性を有意に亢進する領域として約4Mbに限局化できた。この領域には約90遺伝子が含まれていた。 加齢黄斑変性の患者および対照者の血液検体の収集については、浜松医科大学および聖隷浜松病院の両倫理委員会に申請し、許可が得られたため、平成23年4月より血液検体の収集を開始し、合計285人分の血液検体を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個体数を増やした解析により限局化を進めたRPI領域にはまだ多数の遺伝子が含まれ、多型解析するには遺伝子数が多かったこと、RPI-1およびRPI-2の両領域の特性を明確化する目的で光照射および水迷路実験を実施した後の戻し交配ラット(BC-4)の眼病理標本を解析したことなどの理由で、責任遺伝子の同定作業が遅れている。しかし、23年度の研究により、追究すべき領域数を2つから1つに絞り込むことができたため、今後の研究については、より迅速に展開できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に我々が特に重要であると考えた遺伝子領域における10数遺伝子に関して、エキソン配列に対するプライマーを設計したため、24年度は、まず、ラット網膜において、これらの遺伝子の何れが発現しているかを調べる。発現している遺伝子を中心に多型解析を行い、2系統間で異なる多型を探索する。候補を1遺伝子ないし数遺伝子に絞り込んだところで、ヒト遺伝子における多型を探索し、加齢黄斑変性の関連解析に着手する。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Genetic Analysis of Rat Strain-dependent Difference in the Susceptibility to Retinal Photic Injury and Mapping Possible Susceptibility Loci2011
Author(s)
Ohishi, K., Hosono, K., Obana, A., Hotta, Y., Hiramitsu, T., Minoshima, T
Organizer
4th International Conference on Health and Longevity Sciences (ICHALS)
Place of Presentation
Shizuoka
Year and Date
2011-10-21
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