2011 Fiscal Year Annual Research Report
眼内新生血管発生・成熟・消退メカニズムの解明-アペリンその他の分子の関与
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22591942
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢 美喜 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50403043)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50294096)
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20362717)
馬場 明道 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (70107100)
鈴木 三保子 大阪大学, 医学系研究科, 医員 (40611166)
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Keywords | アペリン / 血管新生 / 網膜 / 脈絡膜 |
Research Abstract |
今年度は、脈絡膜新生血管発症とapelin/APJシステムとの関連についてより深く検討すべく、研究を行った。マウス網脈絡膜にレーザー照射することで脈絡膜新生血管を作成し、リアルタイムPCRにて、apelin, APJ, VEGF, VEGFR2の各分子の遺伝子発現の経時変化をみたところ、レーザー照射後2日目にapelinの有意な発現上昇が誘導されるが、そのリセプターであるAPJの発現はそれより遅れて4日目で上昇をみ、1週間でも上昇はみられた。一方VEGFとそのリセプターVEGFR2は、レーザー照射後2、4日目で遺伝子発現上昇がみられた。次いでapelinノックアウトマウスにおいて同様に脈絡膜新生血管を誘導し、脈絡膜伸展標本を作製して、脈絡膜新生血管のサイズを野生型のものと比較したところ、apelinノックアウトマウスで有意にサイズが小さいことがわかった。APJノックアウトマウスでも同様に、脈絡膜新生血管サイズが小さいことが示され、脈絡膜新生血管発症にapelin/APJシステムが関与することが明らかとなった。 脈絡膜新生血管形成過程におけるapelin/APJシステムの果たす役割を明らかにするため、まずapelin/APJが、マクロファージの誘導に関わる可能性を考えた。血管新生の初期過程において、マクロファージが誘導されることが知られているため、apelin/APJ経路を阻害すると、その誘導されるマクロファージ細胞数が減る可能性を予測したが、フローサイトメトリーで確認しても誘導される細胞数に差はなかった。野生型とapelinノックアウトマウスで、種々の血管新生因子の発現パターンの差を確認したところMCP-1、ICAM-1、TNFαなどで両者に差があることが示唆され、現在確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを用いた、apelin/APJと脈絡膜新生血管発症の関わりの検証研究については、ほぼ順調に遂行されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの基礎実験研究経過の論文化をめざす。同時に、より詳細なapelinと脈絡膜新生血管発症との関連を検討するため、apelinを分泌する細胞種の同定を目指す。
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Research Products
(16 results)