2010 Fiscal Year Annual Research Report
視細胞特異蛋白質リカバリンの癌異所性発現がもたらす癌関連網膜症発症機序の解明
Project/Area Number |
22591945
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大黒 浩 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30203748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 幾代 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90305235)
前田 貴美人 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00452970)
石川 太 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00419962)
|
Keywords | 癌関連網膜症 / Ca^<2+>結合蛋白質 / リカバリン / カベオリン / 自己免疫 / 網膜色素変性 |
Research Abstract |
癌患者の一部に網膜に対する自己免疫を獲得し、網膜色素変性様の進行性の網膜変性をきたす癌関連網膜症CAR(cancer-associated retinopathy)がある。本疾患に関連して国内・国外では、CAR患者の血清中には網膜に特異なCa^<2+>結合蛋白質リカバリンをはじめ種々の網膜抗原に対する自己抗体が検出され、これらの血清自己抗体がCARの発症に深くかかわることと臨床的に血清自己抗体の検出が確定診断として必須であることが明らかとされてきた。従ってCARの発症機序における血清自己抗体の役割を解明することは、未だ治療法が確立されていない本症に対して新たな治療法のデザインにつながることが予想される。そこで癌関連網膜症の発症機序の解明と癌に異所性発現したリカバリンの癌細胞での役割を明らかとする目的で、今回申請者らの研究グループは平成22年より24年までの3年間に A)どのような癌にリカバリンがどのような頻度で異所性発現するのか? B)網膜特異蛋白であるリカバリンがどのような機序で癌に異所性発現するのか? C)癌に異所性発現したリカバリンがどのような機序により自己免疫を獲得するのか? D)癌に異所性発現したリカバリンがどのような細胞内機序により癌の予後を変化させるのか? の以上4つの主要な研究課題に研究を継続中であるが、現時点で癌に異所性発現したリカバリンがカベオーラの特異的に発現しているカベオリンとG蛋白質共役受容体との共役により自己免疫機序を獲得に関与している可能性を明らかとした。
|
Research Products
(4 results)