2012 Fiscal Year Annual Research Report
角膜内皮の健常性に関与する原始絨毛の存在意義の解明
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22591947
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
谷岡 秀敏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90171834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
篠宮 克彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50585289)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 角膜内皮 / 非健常細胞 / 組織学的検討 / 原始繊毛 / 不死化ウサギ角膜内皮細胞 |
Research Abstract |
角膜の透明性維持に重要な役割を果たしている角膜内皮細胞には、腎臓の上皮細胞や原始結節の細胞と同様に原始繊毛の存在が報告されているが、その機能は未解明である。我々はこれまでに、角膜移植に使用するドナー角膜の組織学的研究において、保存液中で低温保存されたドナー角膜の内皮細胞中に、非健常細胞が存在していることに気付いた。そこで本研究では、 ドナー角膜、および角膜移植時に摘出された患者角膜を用いて、非健常角膜内皮細胞の出現率および、角膜内皮細胞の健常性と原始繊毛の形態学的、組織学的異常の関係について検討を行い、角膜内皮細胞における原始繊毛の機能を明らかにすることを目的とした。 本年度の研究実績:① 移植用ヒト保存角膜においては原始繊毛が全く観察されなかったことから、日本白色家兎の新鮮角膜を角膜保存液中で保存した際に、角膜内皮細胞の原始繊毛がどのように変化するかを検討した。摘出直後の角膜では抗アセチル化αチューブリン抗体陽性の原始繊毛を有する細胞が約20%の内皮細胞に認められた。保存1および7日後では抗体に陽性を示す原始繊毛は観察されなかった。しかし7日間保存した組織を37℃で2日培養したところ、原始繊毛を有する内皮細胞が再び観察された。② ①のサンプルの一部を走査型電子顕微鏡で観察したところ、摘出直後には角膜内皮細胞表面に突出した1本の原始繊毛が認められ、4℃保存による細胞表面の原始繊毛の消失と保存後の培養による細胞表面へ突出した原始繊毛の再出現が観察された。③ SV40 large T antigenとhTERTのプラスミドをレンチウイルスで感染させ、不死化ウサギ角膜内皮細胞を作製し、保存液中に4℃で保存したところ、5時間で原始繊毛の減少が観察され、保存1日で原始繊毛の消失が観察された。 ウサギ角膜内皮の原始繊毛は、角膜保存液で保存すると消失するが、回復性がある変化と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)