2010 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンによるSmad系の調節を標的とした眼線維化疾患の新規治療戦略の確立
Project/Area Number |
22591948
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50264891)
白井 クミ 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70326370)
宮本 武 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20336879)
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Keywords | インテグリン / Smad / 線維化 / 眼 / マウス |
Research Abstract |
A9インテグリンのリガンドであるオステオポンチンまたはテネイシンのそれぞれのノックアウトマウスと野生型マウス由来のP1新生マウスからの培養胎児培養線維芽細胞(線維芽細胞-筋線維芽細胞変換を起こす細胞の代表として)を用いて、TGFb1添加時のSmad2およびSmad3のC末端およびミドルリンカー領域のリン酸化の時間経過を検討した。チャンバースライドまたは60mmシャーレで充分に生育した後、無血清下でTGFb1(1.0ng/ml)を添加し、ウエスタンブロットと免疫組織化学を使用した。また、各種細胞外マトリックス(コラーゲンI型、III型、フィプロネクチン)や線維性サイトカイン発現(TGFb1, CTGF)を検討した。24時間暴露の細胞からRNAを採取し、Taqman Real-time RT-PCRを行った。48時間暴露の細胞では、蛋白質発現をELISA、免疫組織化学を用いて検討した。その結果、オステオポンチンまたはテネイシンのそれぞれのノックアウトマウスからの培養胎児培養線維芽細胞では、野生型マウス由来の細胞と比較して、TGFb1添加に対するSmad2またはSmad3のC末端のリン酸化が現弱していた。応募者らが作成したSmad2またはSmad3のミドルリンカー領域のリン酸化を検出する家兎ポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロットでは、野生型マウス由来の細胞でもTGFb1添加とこれらのリン酸化に特異的な関係を検出できなかった。また、オステオポンチンまたはテネイシンのそれぞれのノックアウトマウスと野生型マウス由来の細胞で、TGFb1添加によるSmad2またはSmad3のミドルリンカー領域のリン酸化の差異を検出できなかった。さらに、これらの細胞では、コラーゲンI型、III型、フィプロネクチンなどの各種の線維性細胞外マトリックスや線維性サイトカイン発現がRNAおよび蛋白質レベルで低下していた。
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Research Products
(22 results)