2010 Fiscal Year Annual Research Report
末期緑内障患者の視野障害が自動車運転能力に与える危険性の評価
Project/Area Number |
22591949
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
国松 志保 自治医科大学, 医学部, 講師 (80301563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 岳 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40240717)
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Keywords | 緑内障 / ドライビングシミュレータ |
Research Abstract |
公共の交通網の乏しい地方都市で生活する上で問題となる自動庫運転能力に注目して、末期緑内障患者の視野障害進行がQuality of life(QOL)に与える影響を調査するためには、運転条件を一定にすることが望ましいと考え、緑内障患者用ドライビングシミュレータ(緑内障DS)を開発した。今年度は、まず、この緑内障DSの妥当性について検討した。 緑内障DSは、自動車や子供の飛び出す場面(危険場面A:14場面)と、信号や標識を認識できているかを問う場面(危険場面B:4場面)から構成される。19名の健常人ボランティアに対し、0.5mm(中心約10度以内を疑似体験できる)および2mm(同20度以内)のピンホール眼鏡(P眼鏡)を装用下で緑内障DSを施行し、各場面の事故の有無とブレーキ反応時間を記録した。 その結果、結果:事故回数は0.5mmP眼鏡、2mmP眼鏡でそれぞれ7.2±2.2、42±2.0回であった(平均±SD)。視野が狭いほど事故が多かったのは18場面中3場面で、全て危険場面Aであった(P=0.000~0.003)。ブレーキ反応時間は18場面中8場面で視野が狭いほど有意に遅く(P=0.000~0.004)、うち7場面は危険場面Aであった。 新たに開発した緑内障DSは、より狭い疑似体験眼鏡下で事故回数が多く、ブレーキ反応時間が遅くなる場面が多いことから、求心性視野狭窄をきたした緑内障患者の自動車運転危険度を予測するのに有用であると思われた。 現在は、対象を末期緑内障患者おぼび年齢マッチングした正常人として、ドライビングシミュレータを操作した結果を解析することにより、視野障害パターンごとの自動車運転能力を評価し、交通事故を起こしうる視野障害パターンを特定し、自動車運転に必要な視野基準を明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)