2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591951
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐竹 良之 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60385143)
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Keywords | 移植・再生医療 / 眼表面再建 / 血管新生 |
Research Abstract |
当施設で作製している培養口腔粘膜上皮シートには羊膜を基質として用いるもの(AM(+)シート)と基質を持たないもの(AM(-)シート)とがあり、臨床経過としてAM(-)シートの移植後では血管侵入が少ない傾向にある。このような傾向を示すメカニズムを解明するため、本年度においては移植前の培養口腔粘膜上皮シートにおける血管新生因子の発現様式の違いについて検討した。 血管新生促進因子はVEGF、FGFの発現様式を、血管新生抑制因子はPEDF、TSP-1、Endostatin、Angiostatinの発現様式をRT-PCR並びに免疫染色を用いてmRNAレベル、蛋白レベルにおいて比較検討した。 RT-PCRにおいて、AM(+)、AM(-)シートともにTSP-1とFGF2の発現を観察することが出来たが、PEDFならびにVEGFの発現は両者においてほとんど検出されなかった。RT-PCRの結果においてAM(+)とAM(-)シートとの間に大きな違いは観察されなかった。免疫染色においては、AM(+)、AM(-)シートともに弱い発現ではあるがTSP-1、FGF-2、Endostatin、Angiostatinの発現が観察されたしかし、PEDFならびにVEGFの発現は両者においてほとんど検出されなかった。免疫染色の結果においてもAM(+)とAM(-)シートとの間に大きな違いは観察されなかった。 以上のことから口腔粘膜上皮シートの移植前の段階において、AM(+)とAM(-)シートとの間に血管新生因子の発現に大きな違いがないことが示唆された。このことから移植後において血管新生が誘発される反応が起こっている可能性が考えられた。今後においては、視力向上を目的とする二期的な角膜移植を行う際に採取することが出来る移植後の組織を用いて血管新生因子等の発現様式について検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)