2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスの視点からの血液眼関門の構造的・機能的評価
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22591953
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
雑喉 正泰 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80298596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 雅彦 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80201086)
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Keywords | 血液眼関門 / 血液房水関門 / 血液網膜関門 / 網膜色素上皮細胞 / 網膜血管内皮細胞 / 毛様体無色素上皮細胞 / MMP / TIMP |
Research Abstract |
本年度の研究は、血液房水関門を構成する細胞における生理的MMPならびにTIMP発現量を調べ、異なる濃度のTNF-aを添加した事による、これらの遺伝子発現量の変化を調べる事にある。さらに、この実験系にて、抗TNF-a製剤として知られるinfliximabを加え、TNF-aの添加によって変化したMMPならびにTIMPの遺伝子発現量に対する抑制効果を調べた。前房蓄膿などの、ベーチェット病による前部ぶどう膜炎の発症機序、ならびに、infliximabによる治癒過程をin vitro系にて再現するモデルの確立を目的としている。今回の実験にはhuman non-pigment ciliary epithelialcells(HNPCECs)を用いた。その他、実験方法は、既に我々が報告した論文に準拠した(Li et al., J Ocul Pharmacol Ther. 2010)。その結果、血液網膜関門を構成する細胞系を用いた時の変化とは異なるMMPならびにTIMPの発現変化が確認された。一方で、infliximabによる抑制効果は、血液網膜関門の報告と同様に、TNF-aの添加前に投与した時の方が、添加後に投与した時よりも抑制効果が強かった。この事実は臨床的に、眼発作前からのinfliximab投与が有効である事をサポートしている点で、非常に意義ある結果と解釈している。さらに今回は遺伝子変化だけでなく、蛋白発現変化についても調べており、現在、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験は概ね実施され、その結果についても興味深いものであった。現在、発展的知見を得るための実験を準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の結果をふまえ研究をさらに推進させ、治療に貢献できる情報を得て、将来的に臨床に応用できる分野へと発展させる予定である。現時点では特に問題点はない。
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Research Products
(5 results)