2010 Fiscal Year Annual Research Report
MNU誘発網膜色素変性症動物モデルにおけるオートファジーの関与とその分子制御
Project/Area Number |
22591954
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
義澤 克彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (70548396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
螺良 愛郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (90098137)
圦 貴司 関西医科大学, 医学部, 講師 (50330212)
上原 範久 関西医科大学, 医学部, 講師 (30368211)
木村 彩子 (川中 彩子) 関西医科大学, 医学部, 助教 (80548397)
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Keywords | 網膜色素変性症 / オートファジー / 視細胞 / カルパイン阻害剤 / アポトーシス |
Research Abstract |
ヒト網膜色素変性症は視細胞の進行性の変性・消失を特徴とし、失明を来す遺伝性疾患で未だ治療法のない難病であり、その病態の理解と治療法の開発には動物モデルの存在が必須である。我々は、N-メチル-N-ニトロソ尿素(MNU)による動物モデルを確立し、その病態制御を試みてきた。オートファジー(AP)は全ての真核細胞に普遍的に備わる細胞内蛋白分解経路であり、正常細胞での細胞内成分の新陳代謝(細胞内浄化)に寄与する他、栄養飢餓、一部の神経変性疾患に加え、加齢性黄斑変性症や緑内障などの眼科疾患での関与が注目されている。MNU誘発網膜変性症モデルにおけるAPを介する視細胞の死滅機構を明らかにし、網膜でのAP発現調整によるヒト網膜色素変性症の治療法確立を目指すことが本研究の目的である。本年度はこのモデルでのAPの関与ならびにカルパイン阻害剤による視細胞死抑制との関連につき検討した。7週齢BALB/c雌マウスに60mg/kg MNUを腹腔内投与(ip)後、経時的に眼球のLC3-II、Caspase-3、ATG5の蛋白発現をWestern blot法にて解析した。さらに80mg/kgSNJ-1945(カルパイン阻害剤)をMNU投与3時間前、以後毎日1回ipし、MNU投与後24時間のα-spectrinとLC3-IIの蛋白発現、7日の網膜傷害の抑制効果につき検証した。MNU投与群では時間経過とともにLC3-II発現減少とCaspase-3発現増加を認め、24時間目ではAtg5減少をみた。SNJ-1945併用群ではα-spectrtin発現減少とLC3-II発現増加に加え、後極部の視細胞比率の回復や網膜傷害率の減少がみられ、網膜障害が改善された。以上の結果から、MNU誘発網膜変性にはAP抑制が関与し、カルパイン阻害剤による視細胞死抑制にはAP保持が関与することが示唆された。
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Research Products
(6 results)