2010 Fiscal Year Annual Research Report
LDLを利用した高効率な線溶系酵素の発現制御型遺伝子導入による緑内障手術法の開発
Project/Area Number |
22591955
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
安藤 彰 関西医科大学, 医学部, 講師 (50319612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 雅人 関西医科大学, 医学部, 助教 (20509575)
南野 桂三 関西医科大学, 医学部, 助教 (40509585)
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Keywords | 緑内障 / 線溶系酵素 / 遺伝子導入 / 緑内障手術療法 / 線維柱帯 / 眼圧 |
Research Abstract |
ヒト線維柱帯細胞からRNAを抽出して逆転写の後cDNAライブラリーを作成、線溶系酵素の代表としてヒトurokinase (uPA)に特異的配列を持つオリゴヌクレオチドのプライマーを用いてPCR法による遺伝子増幅を行い、シークエンスの全長を含んだDNA断片を採取した。これをyellow fluorescence protein (YFP)をコードする遺伝子とともにpTRE-Tightベクター(Tet-On([○!R]) Advanced発現誘導システム:Clontech Laboratories社製)に組み込み、ドキシサイクリンによって各種線溶系酵素の遺伝子発現を制御する遺伝子発現ベクターを作成した。ブタ眼球から隅角線維柱帯を採取し、10%ウシ胎児血清を添加したDulbecco’s Modified Eagle (DME)培地で組織培養を行い、細胞が遊走・増殖するまで1週間ごとに培地を換えて培養を行った。隅角線維柱帯細胞を0.5%トリプシン、0.02%エチレンジアミン4塩酸(EDTA)溶液で処理して細胞を浮遊させ、先端を丸くしたパスツールピペットを用いて実体顕微鏡下で回収、得られた細胞を3日に一度培地を交換しながら継代培養を行い、サブコンフルエント状態の細胞をリン酸バッファーで洗浄した後、pTet-On Advancedベクターを導入し、トランス活性化因子を発現する安定細胞株を樹立した。ドキシサイクリン作動性線溶系酵素遺伝子発現ベクターを1mlあたり1000コピー程度となるようリポフェクタミンとともに培養液中に添加して遺伝子導入を行った。ドキシサイクリンを添加して24時間培養の後、培養液を採取してELISA法により組み込んだ遺伝子による蛋白発現を確認したところ3.5ng/mlのuPAを確認し、線維柱帯細胞に発現制御可能なuPA遺伝子導入が可能であることを明らかにした。
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