2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウス涙腺を用いた機能的3次元培養腺房の作成と、その細胞生物学的検討
Project/Area Number |
22591957
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
伊藤 正孝 防衛医科大学校, 医学教育部・医学科専門課程, 准教授 (30534896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今城 純子 防衛医科大学校, 医学教育部・医学科専門課程, 教授 (20223323)
唐沢 容子 防衛医科大学校, 医学教育部・医学科専門課程, 助教 (60535540)
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Keywords | 涙腺 / 3次元培養 / ドライアイ / 外分泌腺 / 細胞生物学 / 幹細胞 / 再生医学 / マウス |
Research Abstract |
1 涙腺上皮細胞のair-lift培養による分化誘導 初年度後半より実施している分化誘導培地を用いた涙腺上皮細胞のair-lift培養では、数週間の培養の後に角膜・結膜および皮膚様の構造物が生じ、培養涙腺上皮細胞中に含まれる幹細胞/前駆細胞の各種上皮組織への多分化能が示唆された。しかしながら、その後各種培養条件を検討したものの、これまでのところ機能的涙腺への分化には成功していない。3次元培養とair-lift培養について、培地、基質等に関して、更に複数の方法を検討する必要がある。 2 細胞増殖因子およびその阻害因子の培養涙腺上皮細胞への影響 涙腺はその器官発生において上皮下の間葉組織から分泌される維芽細胞成長因子(FGF)10の刺激を受けて上皮が増殖・遊走し、初期の発芽が起こる。しかし、胎生後期には涙腺上皮はFGF10への感受性を失うことも観察されており、胎生後期から生後初期における涙腺上皮の増殖に関わる因子を検索していた。昨年までの検討では、この時期の涙腺上皮は内因性としても産生されている上皮成長因子(EGF)と肝細胞成長因子(HGF)の刺激を受けて増殖を活性化させることが観察されていたが、今回はこれら2つの増殖因子と、それぞれの阻害剤を組み合わせて、これら因子の働きを更に詳細に検討した。その結果、内因性のEGFまたはHGFを阻害すると、他方の増殖因子を過剰に投与しても増殖は促進されず、細胞死は有意に増えた。更に両者を阻害すると、全ての細胞が死滅した。 これらのことから、EGFとHGFは胎生後期~新生仔期における涙腺組織の生存と増殖に共同して働く必須因子であることが明らかとなった。 我々が開発した涙腺上皮細胞3次元培養系においてもこれら因子の関与が予想されるので、今後は阻害剤添加をしつつ、涙腺上皮細胞3次元培養細胞塊の形態と分泌機能等を詳細に検討してゆく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生体の涙腺の3次元構造、特に腺房構造と良く模倣した構造をつくる3次元培養法がまだ確立されていないため、培地やマトリックス、培養法等に更なる工夫を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
涙腺類似構造の作成のために、培地、マトリックス培養法に関して、以下の点で検討をおこなう。 ・3次元培養マトリックスとして、マトリゲルに涙腺間質の細胞外基質等を加えて培養をおこなう。 ・更に複数の培養液を用いて培養をおこなう。 ・3次元培養のみならず、カルチャーインサートを用いたair-liff培養でも、涙腺類似構造の作成を試みる。
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Research Products
(6 results)