2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン受容体を介した眼表面上皮細胞による炎症制御機構の解明
Project/Area Number |
22591971
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
上田 真由美 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (60398386)
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Keywords | プロスタグランジン / 眼表面上皮 / 炎症 |
Research Abstract |
本年度は、"プロスタグランジン受容体を介した眼表面上皮細胞による炎症制御機構の解明"を目的に下記に示す実験を行い、以下の結果を得た。 1)上皮細胞に発現しているPG受容体に着目した炎症制御機構の解明 A)ヒト培養結膜上皮ならびにヒト培養角膜上皮を用いて、各種PGE2受容体(EP2、EP3,EP4)アゴニストを用いて、サイトカイン産生抑制作用を解析した。その結果、polyICによるサイトカイン産生誘導に対して、EP2アゴニストならびにEP3アゴニストは、CXCL10,CXCL11などのサイトカインの産生を抑制した。 B)申請者が確立した眼表面炎症マウスモデルを用いて、眼表面炎症におけるPG受容体の働きを解析した。具体的には、PGE2受容体サブタイプEP3欠損マウスにアレルギー性結膜炎を誘発し、遅発相の結膜好酸球浸潤の程度を、野生型マウスと比較した。その結果、EP3欠損マウスでは、アレルギー性結膜好酸球浸潤が野生型マウスを比較して有意に上昇していた。また、EP3の局在を調べたところ、結膜上皮、角膜上皮からなる眼表面上皮に優位に発現した。このことは、眼表面に発現しているEP3がアレルギー性結膜好酸球浸潤を制御していることを意味する。 2)眼表面炎症制御機構全体におけるPG受容体の役割ならびに位置づけの解明 難治性眼表面炎症疾患患者が眼表面再建術を受ける際に摘出される眼表面炎症病態組織を用いてPGE2受容体サブタイプEP3の免疫組織化学的解析を行った。コントロールとしては結膜弛緩症患者が余剰結膜切除術を受ける際に摘出される結膜組織を用いた。その結果、コントロール結膜では、マウス同様に、ヒト結膜上皮細胞にEP3が強く発現していた。しかし、重症眼表面炎症性疾患であるStevens-Johnson症候群では、眼表面におけるEP3の発現は著明に減弱していた。このことは、アレルギー性結膜炎だけではなく、癌表面炎症全体の制御に、PGE2受容体が関与する可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
眼表面上皮細胞に発現しているある種のプロスタグランジンが、眼表面炎症を制御しているという仮説は、正しく、それを証明する所見が出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
眼表面上皮に優位に発現し、眼表面炎症を抑制しているプロスタグランジンE2受容体サブタイプEP3に焦点を絞って研究することにより、眼表面炎症制御機構の解明に進めると考えられる。そのため、次年度は、EP3に焦点を絞った解析を行う。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] FP localization and expression in ocular tissue2011
Author(s)
Imai K, Ueta M, Mori K, Ikeda Y, Ueno M, Yokoi N, Koga T, Narumiya S, Kinoshita S
Organizer
2011 Annual Meeting of the Association for Research in Vision and Ophthalmology (ARVO)
Place of Presentation
Broward County Convention Center (Florida, USA)
Year and Date
2011-05-04
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