2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障モデルにおけるP2X7受容体活性化と網膜神経節細胞障害の関連性
Project/Area Number |
22591972
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
杉山 哲也 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20298764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 恒彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70222891)
奥 英弘 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90177163)
小嶌 祥太 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10388259)
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80288703)
嶋澤 雅光 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80381721)
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Keywords | P2X7受容体 / 網膜神経節細胞 / 視神経挫滅モデル / Ox-ATP / BBG / p38 / ラット / ミクログリア |
Research Abstract |
P2X7受容体拮抗薬の網膜神経節細胞(RGC)に対する保護効果を、in vitroおよびin vivo(視神経挫滅モデル)で検討した。 1) in vitroの系として、あらかじめラット上丘にDAPIを注入して神経細胞を標識した上で、1週間後にラットを屠殺し、摘出網膜から得た細胞を分散培養した。通常の培養液のみ(対照)、もしくはP2X7受容体拮抗薬(Ox-ATPまたはBBG)を添加して3日間培養した後、Calceinで染色して生細胞を標識した。各wellにおいて20視野(x125)でDAPI, Calceinともに陽性のRGCを計数した。その結果、Ox-ATP、BBGともに用量依存性に生存細胞数が対照より多く認められた。 2) in vivoの系として、ラットに視神経挫滅モデルを作成し、同時にP2X7受容体拮抗薬(Ox-ATPまたはBBG)を硝子体投与した。1週間後にラットを屠殺し、灌流固定した後、網膜進展標本を作成し、TUJ1抗体でRGCを標識した。1標本当り12箇所でRGCを計数した。その結果、Ox-ATP、BBGともに用量依存性にRGCの減少を抑制した。また、視神経挫滅モデルにおける網膜切片を作成し、P2X7受容体抗体とTUJ1抗体で二重染色した結果、視神経挫滅のみ群では正常群と比べて両者の染色性が亢進し、P2X7受容体拮抗薬群ではそれらの染色性が抑制されていた。また、ミクログリアのマーカーであるCD11bとP2X7受容体抗体で二重染色した結果、両者に陽性となる細胞も存在し、この神経保護作用において何らかの役割を果たしていることが推察された。また、視神経挫滅後3日目のphosph-p38に対する免疫染色にて明らかな染色を認め、P2X7受容体拮抗薬投与では抑制されていたことから、この系における信号伝達系としてp38の関与が示唆された。
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