2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫のがん幹細胞を標的とする腫瘍融解ウイルスを用いた新規治療開発研究
Project/Area Number |
22591976
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 英生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60210712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱木 知郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00375776)
上條 岳彦 千葉県がんセンター(研究所), 発癌研究グループ, 部長 (90262708)
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
齋藤 武 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20406044)
佐藤 嘉治 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375772)
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Keywords | 癌幹細胞 / sphere形成細胞 / 抗癌剤耐性 |
Research Abstract |
【神経芽腫の癌幹細胞の分離法に関する検討】 Sphere culture法、Side population法を施行したが、side population法で細胞の集率が低く、Sphere culture法を採用した。Kaplanらのグループの手法にならい、神経芽腫培養細胞株IMR32を培養し、底面に接着させたところで培養液をDMEM:F-12=1:1にB-27 supplement,bFGF,EGFを添加した無血清培地に交換し培養を継続した。これにより7日前後で底面に接着していた細胞が球状にまとまりsphereを形成した。この細胞群を実験材料として幹細胞能につき検討した。検討の際には親株、sphereのそれぞれをmechanical dissociationにて分離したのちセルストレイナーで単一細胞分離し、細胞数をそろえた上で比較した。 1.増殖曲線:各細胞の増殖をWST-1およびWST-8の各assayにて計測したところ、in vitroではsphereの増殖速度は親株に比べ遅いことが示された。これはsphereの培養環境が無血清の培地内であるために増殖速度が遅くなったと考えている。(裏付けは来年度の計画) Sphere形成細胞の薬剤耐性:癌幹細胞を得られてるとすると、sphere形成細胞はもとになった親株より抗癌剤に対する耐性が強いことが予想される.そこでビンクリスチン、シスプラチン、ドキソルビシンについて、血清培地下にこれらの薬剤に対する耐性を比較したが、親株とsphereで大きな差はなかった。これは増殖速度に差があることから血清の入った培地下ではcell cycleが回ってしまうことで差が出なかったのではないかと考え、どちらの細胞も無血清の培地で抗癌剤を作用させて比較した。無血清培地下ではシスプラチン、ドキソルビシンでsphere形成細胞の方が若干耐性が強かった。
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