2011 Fiscal Year Annual Research Report
体外細胞死誘導法を用いた新しい小児神経芽腫ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
22591984
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
井上 成一朗 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70431690)
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Keywords | apoptosis / 自然免疫 / 腫瘍免疫 / 神経芽腫 / 腫瘍ワクチン / 抗原提示 |
Research Abstract |
1.マウス神経芽腫死細胞によるCD8α^+細胞分裂の誘導 細胞死を誘導した腫瘍細胞をマウスに投与することでCTLが誘導され有効に腫瘍免疫が誘導されているかを観察した。各種抗がん剤でApoptosisを誘導した神経芽腫細胞を骨髄由来樹状細胞とCD8α^+リンパ球を混合培養するとIFN-γ産生を介したCD8α^+細胞の増殖が誘導されることを確認した。抗腫瘍効果を示す細胞障害性T細胞(CTL)の誘導が起こっていることが想定される。この培養系における骨髄由来樹状細胞の抗原提示効果は脾臓由来CD11b^+細胞と比較すると非常に強いことが示された。 2.腫瘍死細胞貪食効果の判定 骨髄由来樹状細胞または脾臓由来CD11b^+細胞と各種抗がん剤でApoptosisを誘導した神経芽腫細胞を混合培養すると、どちらの細胞も死細胞貪食を行うが、その貪食効果は明らかに骨髄由来樹状細胞の方がより多くの死細胞を貪食することが判明した。貪食細胞の抗腫瘍効果は貪食細胞の由来、細胞種により差異があることが示された。 3.腫瘍細胞貪食後の抗腫瘍免疫反応にたいする各種adjuvandの効果の判定 1.で確認されたCD8α^+細胞分裂の誘導は、Toll-like receptor agonistであるLPS及びCpG-ODN等のadjuvandによる免疫賦活効果で修飾されることが判明した。さらにこれらのAdjuvandの作用する期所は明らかに異なることを示すことに成功した。今後抗腫瘍免疫反応を誘導する際に、これらAdjuvandを有効に作用させるタイミングに関して検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種抗がん剤により誘導される細胞死の免疫原性が抗がん剤の種類により異なることが示すことができた。 また反応に有効な細胞種類の確定、適切なAdjuvandの使用が免疫反応を有効に賦活出来ることが判明した。 しかしいずれの結果も培養系によるin vitroデータのため、今後in vivoでの免疫反応、抗腫瘍効果を確認していく。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験系で得られたデータを発展させ、まず培養系で有効な抗腫瘍免疫効果を発揮するApoptosis細胞(どの抗がん剤で細胞死を誘導するか)、抗原提示細胞の同定を進めていく。同時にadjuvandを有効に作用させるタイミングに関して検討を行っていく。 そして以上の検討で得られたin vitroの結果を、担癌マウスモデルに応用し、in vivoでの免疫反応、抗腫瘍効果を確認していきながら、神経芽腫に対する新しい抗腫瘍ワクチン療法の開発を目指す。
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Research Products
(1 results)