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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ケロイド線維芽細胞の起源を探る-ケモカインに誘導されるfibrocyte-

Research Project

Project/Area Number 22591988
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

舟山 恵美  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10533630)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 有平  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70271674)
古川 洋志  北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00399924)
小山 明彦  北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
林 利彦  北海道大学, 大学病院, 助教 (00432146)
齋藤 亮  北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (70507574)
Keywords創傷治癒学 / ケロイド / fibrocyte / ケモカイン
Research Abstract

本研究はケロイドの病態に骨髄由来のfibrocyteが関与しているという仮説のもとに,ケロイド組織内のfibrocyteの存在を証明し,fibrocyteの誘導に重要なケモカインの同定およびその作用機序について詳細に研究することを目的としている。
研究実施計画では当初ケロイド組織内でのfibrocyteの同定を目的として免疫組織化学染色を検討していた。しかしながら,染色でfibrocyteを同定し得たとして,その近傍にケモカインが発現していたとしても,それが創部にケモカインによって誘導されることの直接的な証明にはならない。これは偶然そこにfibrocyteが存在する可能性を除外できないためである。
そのため実際にケモカインに対してfibrocyteが誘導,遊走することを示す必要性がある。組織の染色については実際にfibrocyteがケモカインによって誘導されることをin vivoで示した上で行うこととした。CXCR4/CXCL12 axisは肺線維症モデルマウスにおいて研究が進められており,これを参考に動物モデルを検討し,皮膚局所へのfibrocyteの誘導について実験を行う方針とした。具体的には免疫不全マウスの背部にケロイドの原因となりうる皮膚の炎症,創傷を作成し,ヒトFibrocyteを尾静脈より注入した上で局所への誘導の有無,ケロイド由来,正常人由来によるfibrocyteの誘導,局所での作用の違いについて評価する実験であり,言い換えればヒトfibrocyte移入マウスモデルの作成とそれを用いたケロイド由来,正常人由来fibrocyteの性質の違いの評価を目的としている。現在はこのモデルマウスを作成中であり,実際に炎症部位の皮膚組織の蛍光染色やmRNA発現の解析(RT-PCR)などを行い,モデルの確立を目指している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上記に記載したように,免疫組織化学染色の結果のみで目的を達成することが難しいと判断されたため,新たな実験モデルの発案から,それに要する動物モデルの作成までを行なっている。これにより当初の予定に比べて遅れが生じているが,研究目的を達成するためには必要なプロセスであり,これを省略することは実験結果の妥当性を欠くと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

研究計画についてはすでに述べたように,動物モデルの作成という大きな項目を変更点として追加した。これは研究遂行にあたって遅れを生じた最大の原因であるが,同時にこの研究の本質であるケモカインとケモカインレセプターの対応によって「生体内で」ヒトfibrocyteが誘導されることを直接的に証明する手段となる。本モデルを確立することでケロイド患者と正常人のfibrocyteの性質の違いをin vivoで評価することができる。これは世界初の試みである。現在はこのモデルの作成を行なっている段階だが,炎症性物質(PMAの局注により皮膚においてCXCR4のmRNA発現が亢進していることが示唆されており,注入したfibrocyteも局所へ誘導される可能性は高い。モデルが確立された後には,速やかに局所に発現するケモカインの同定と,fibrocyteによってもたらされる変化について免疫組織化学染色,RT-qPCR,micro array等の手段で解析を進める予定である。

URL: 

Published: 2013-06-26  

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