2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591991
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細川 亙 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20181498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 靖夫 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50272315)
松田 健 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50423166)
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Keywords | レチノイン酸 / 軟骨形成 / 骨形成 / 再生医療 / CYP26B1 |
Research Abstract |
発生段階における骨形成のメカニズムを探索することは、骨の形成異常、先天性あるいは後天性による欠損、頭蓋骨における早期癒合症などの治療に直結している。レチノイン酸(retinoicacid;RA)不活化酵素であるCYP26B1遺伝子欠損(CYP26B1-KO)マウスは、短肢、口蓋裂、頭蓋顎顔面骨形成不全、鎖骨欠損など全身における骨形成異常を呈する。CYP26B1が欠損すると局所的にRA濃度が上昇し、RA標的遺伝子のかく乱が生じるために表現型異常が起きる。CYP26B1-KOマウスを用いて骨形成におけるRAの意義を解明することを目的とする。 CYP26B1-KOマウスは生直後致死のため、成体を含めた解析には適当なconditional-KOマウスを作製する必要がある。昨年よりCollla2-Creを使用して軟骨前駆細胞特異的CYP26B1-KOマウスの作製を試みてきたが、目的の個体を得ることに成功した。Collla2;CYP26B1-KOマウスは正常に出生するが、生後3~4週頃より著明な成長障害を呈する。頭蓋顎顔面骨は成長バランス異常がみられる。全体的に丸みをおびた小さな形態であり、上下顎のバランス異常のため歯の過伸長が生じ咬合不全をきたしている。成長障害に関しては、四肢関節における成長軟骨板において増殖軟骨細胞層の著明な減少を認めた。この表現型は、小児の白血病治療におけるレチノイドの合併症として報告されているものと類似しており、臨床的にも大変興味深いと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で最も危惧されることは遺伝子改変マウスの繁殖であるが、順調に交配しており目的個体が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
Collla2-CreによるCYP26B1-conditional KOの表現型が、頭蓋顎顔面骨のみならず四肢骨の形成異常を呈したことから、四肢骨も含めた幅広い解析を行う方が良いと考えられた。
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