2011 Fiscal Year Annual Research Report
過酸化水素法による小動物のリンパ系のマクロ解剖とリンパ管変性と再生のメカニズム
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22591996
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木股 敬裕 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50392345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 潔 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (10319965)
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40243216)
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Keywords | リンパ管 / 集合リンパ管 / リンパ管再生 |
Research Abstract |
1.ラットリンパ管の正常解剖の把握 平成22年度の研究実績報告書に記載した通り、過酸化水素法により、ラット集合リンパ管の正常解剖を明らかにし、論文発表を行った。 2.リンパ浮腫モデルの作成 計画書では鼡径部でリンパ集合体を含む皮膚、皮下組織を5mm幅で全周で除去することにより、リンパ浮腫モデルを作成する予定であったが、この方法では術後の浮腫の強さや治癒の速度が一定でないため、より安定したモデルとして、足切断モデルを作成した。 <方法>250gから300gのWistarラット(雄)を用いる。ネンブタールを腹腔内注射(0.1mg/100g)し、麻酔を行う。除毛クリームを用いて腹部から下肢全体の除毛を行う。その後、大腿部を完全切断する。大腿骨はほぼ中央で、動静脈は大腿動静脈を厳径靭帯の5mm末梢で切断する。また、爪径リンパ節は中枢に含むようにする。完全に切断した後に、同部位に再接着を行う。骨固定を行い、筋肉は疎に縫合し、動静脈吻合を行う。最後に皮膚を縫合する。 〈結果〉浮腫の評価はラット足関節、足背の周径で行った。このリンパ浮腫モデルでは浮腫は術後3日でピークとなり、術後14日でほぼ消退することが分かった。 3.リンパ浮腫治癒過程の肉眼的観察 く方法〉リンパ浮腫作成術後町く3目、7日、14日以降)にそれぞれ皮膚切開を行い、初年度で行った方法で、リンパ管の走行を観察した。また、同時にICGを用いた蛍光リンパ管造影法(以降FLG-ICG法)も併用し、色素注入法との比較も行った。 〈結果〉術後3日目では色素はび慢性に皮下に漏出した状態であり、7日目では微細なリンパ管が網状に発達し始め、さらに14日目以降で微細リンパ網はざらに発達していた。 FLG-ICG法でもほぼ同様の所見であったが、色素注入法では切断部位を超えて中枢に色素が入るのは観察されなかったのに対し、FLG-ICG法では14日目以降で中枢のリンパ管に流入する様子が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リンパ浮腫治癒過程の観察において、免疫組織学的解析が現在進行中であり、予定よりやや遅れた状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度以降の計画としてリンパ浮腫モデルに対する外科的手術を計画していたが、リンパ管静脈吻合術はリンパ管や静脈の大きさが予想以上に微細であり、困難が予想される。近年臨床において有用性が示唆されているリンパ節移植等の方法に変更して行う予定である。
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Research Products
(7 results)