2011 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型増殖因子の分子機構:リンパ浮腫治療戦略の創成
Project/Area Number |
22591998
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中岡 啓喜 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (30172266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 聡史 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50419511)
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Keywords | リンパ管新生 / トランスジェニックマウス / リンパ浮腫 / 増殖因子 / 治療モデル |
Research Abstract |
本研究では、膜結合型増殖因子である表皮増殖因子(EGF)ファミリーのうち、Heparin-binding EGF-like growth factor (HB-EGF)がリンパ管新生を誘導し、リンパ浮腫改善につながることを見出し、本因子による新たなリンパ浮腫の治療戦略を創生することを最終目的としている。この実験系の確立のために、創傷治癒の亢進、血管・リンパ管新生の亢進が期待される実験個体として、表皮特異的HB-EGF誘導発現マウス(K5 Dox HB-EGF TG)の作製を行った。 表皮特異的HB-EGF誘導発現トランスジェニック・マウスの作製に当たっては、通常の交配では胎生期の着床に問題があり系統維持ができなかった。このため、遺伝子発現誘導システムを用いてK5 Dox HB-EGF TGを作製した。本マウス作製にあたっては、以下二つのマウスが必要である。一つは、tetracycline responsive element (TRE)プロモーター下にHB-EGFを発現するトランスジェニックマウス(TRE-HB-EGF TG)、もう一つは表皮特異的ケラチン5(K5)プロモーター下にrtTAを発現するトランスジェニック・マウス(K5-rtTA TG)である。両マウスを交配し、TRE-HB-EGF TG;K5-rtTA TGを作製した。このダブルトランスジェニック・マウスが、表皮特異的HB-EGF誘導発発現マウス(K5 Dox HB-EGF TG)である。遺伝子誘導にはドキシサイクリン(Dox)を用いた。 A)背部皮膚全層創傷 マウス背部の毛を除去し、パンチバイオプシーで創傷を作成した。実験は、マウスはK5 Dox HB-EGF TG及び対照群用いて行った。創傷面を経時的に観察し、創傷面積の測定、肉芽形成の測定を行った。 B)尾部皮膚創傷<リンパ浮腫モデルの作製> マウス尾部の皮膚を、全周性に真皮レベルにて幅2mmにわたり切除した。尾動脈と筋及び骨組織は健常なまま残し、皮膚欠損部にI型コラーゲンとシリコンを注入した。この結果、末梢部にはリンパ浮腫が誘導された。K5 Dox HB-EGF TG及び対照群を用いて、経時的にデジタル画像で保存しリンパ浮腫のgradeを測定した。 今後データを解析して、二群間に存在する可能性のある差異を検討して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該マウスTRE-HB-EGF TG;K5-rtTA TGを作製し、現在創傷治癒実験に着手している。従って、実験計画としては、おおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当該マウスTRE-HB-EGF TG;K5-rtTA TGの創傷治癒過程が、対照群と比較して差異のあるものなのか詳細に比較検討して行く。この過程により、HB-EGFが創傷治癒及びリンパ管新生に及ぼす効果を見極めることが可能になる。
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