2011 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒における骨髄細胞(Fibrocyte)の関与とその発現異常の解明
Project/Area Number |
22592002
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
丸山 優 東邦大学, 医学部, 教授 (00101931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 直美 東邦大学, 医学部, シニア・レジデント (10439937)
今泉 りさ 東邦大学, 医学部, 准修練医 (20453847)
岡田 恵美 東邦大学, 医学部, 講師 (50318242)
石井 壽晴 東邦大学, 医学部, 教授 (30101893)
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Keywords | 創傷治癒 / Fibrocyte / 線維化 |
Research Abstract |
[目的]創傷治癒過程の主体である線維芽細胞の由来は一部が血球由来間葉系前駆細胞(Fibrocyte:Fb)由来であると判明してきた。しかしFbの発現特異性やその誘導を構成する微小環境成分は解明されていない。今回CD34,Leukocyte specific protein1(LSP-1),Procollagen-I(Pro-I)の二重染色で同定されるFbの血管内外での発現特異性や血管を介在としたケモカイン誘導因子の関与を検討した。 [方法]皮膚切除材料非病変部組織を蒐集し、創傷治癒過程を5期に分類して各病期においてCD34,LSP 1,Pro-I二重染色からFbの発現性を解析した。今年度は、ヒト正常皮膚創傷治癒過程の検体数を増やし、Fb発現に関与するケモカイン分子を解析した。 [結果と考察]ヒト正常皮膚創傷治癒では、各創傷治癒期においてFbは血管内(Circulating)と血管外(Infiltrated)とでは全く異なる発現様式を示し、それらの由来や分化様式が異なることが示唆された。 さらに、α-SMA染色から分類した毛細血管、細小動静脈、動脈におけるCXCL12,6Ckine,MCP-1の発現を解析すると、細小動静脈でCXCL12の発現増加が確認でき、CXCL.12のレセプターであるCXCR4は、CD34+細胞に共発現していた。よって、骨髄細胞からCirculating Fbへの分化誘導においてCXCL12発現性細小動静脈の血管構築による微小環境形成が重要であると考えられた。特に、Circulating Fbの血管外への誘導にCXCL12-CXCR4の相互作用が関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常皮膚修復過程においてFbの分化誘導とその微小環境を解析し、その方法を確立した。今後は、糖尿病性潰瘍やケロイドなど病的創傷治癒におけるFbの発現性とその微小環境形成に関与するケモカイン分子を、正常と同様に解析する。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト正常皮膚創傷治癒過程を検討するうちに、これまで実施してきた異なる個体から採取された検体では経時的変化が十分解析できないと考えられた。よって、ラットで創傷治癒モデルを作成しin vitroで解析することで、各創傷治癒過程を同一個体で経時的に観察できると考える。
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Research Products
(3 results)