2011 Fiscal Year Annual Research Report
ケロイドにおけるCOLIA2プロモーターの転写に関わるmicroRNAの発現調節
Project/Area Number |
22592003
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
清水 一 日本医科大学, 老人病研究所, マネージメントサポートスタッフ (60398873)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
M GHAZIZADEH 日本医科大学, 老人病研究所, 准教授 (30190979)
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30301568)
|
Keywords | ケロイド / micrpRNA / 線維化 |
Research Abstract |
ケロイドの発生機序は国内外において、未だ解明されない形成外科領域の難治性疾患の代表となっておりその治療方法も確立されていない重要な研究課題である。 本研究の目的はケロイド病変におけるコラーゲン産生能の亢進に関わるCOLIA2プロモーター領域の転写制御を調節し、ケロイドにおける線維化機構に関与するmioroRNA遺伝子の発現調節を明らかにすることにある。 正常線維芽細胞(NF)及びケロイド線維芽細胞(KF)から抽出したRNAサンプルを用いmiRNA遺伝子の網羅的解析を行ったところ、KFにおいてNFに比べ2倍以上の発現上昇を認めたmicro-RNA遺伝子にmiR-503、miR-886-3p、miR-129-3p、miR-199b-5p、miR-145、miR-19a、miR221、miR218、miR-7、miR-21、miR-1274aなどの遺伝子群が検出された。発現低下を示した遺伝子にはmiR-1915,miR-10aなどが発現解析により確認された。発現上昇を示した遺伝子であるmiR-503、miR-19a遺伝子、発現低下を示したmiR-10a.miR-1915についてq-PCR法にてNF及びKFでのmRNAの発現を確認したところmiR-10a、miR-1915の有意の発現低下を認めた事から、23年度においては、これらのmicroRNA遺伝子のNF,KFでの機能確認のための実験を標的microRNA遺伝子に対するinhibitorとactivatorを用い過剰発現あるいは抑制させることで遺伝子の機構確認を行った。さらにNF及びKFにおいて、これらの遺伝子がコラーゲン及びIL-6の産生量への影響の確認を行ったところ、inhibitorにより減少し、activatorにより増加する事が確認され標的遺伝子の機能発現が確認された。結果は第25回日本皮膚外科学会総会にて発表された。ケロイド病変の特徴である線維芽細胞の増殖とコラーゲン産生に深く関わるmicroRNA遺伝子の特定と機能が確認される事でケロイドにおける線維化機構の抑制への応用が可能となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発現低下を示したmiR-10aについてq-PCR法にてNF及びKFでのmRNAの発現を確認したところ有意の発現低下を認めコラーゲン及びIL-6の産生量への影響の確認を行た事からケロイドにおける線維化機構に関与する標的microRNAが推定される。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度においてはmicroRNA10aをNF,KFに遺伝子導入しコラーゲン産生能を確認する事でケロイドにおける線維化機構の抑制の可能性を検討する予定である。
|
Research Products
(5 results)