2012 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨における水平的骨増生を目指した組織工学的手法の検討
Project/Area Number |
22592005
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
百束 比古 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00165135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 博司 順天堂大学, 医学部, 教授 (80343606)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪組織幹細胞 / 骨増生 / 多血小板血漿 / β-TCP / α-TCP / 頭蓋骨欠損モデル / 水平性骨吸収 |
Research Abstract |
加齢や歯周病等により歯が喪失した部位の顎骨の量を回復するため、「骨増生」を目的とした治療法の開発を実施した。本研究では「骨増生」を目的として、脂肪組織幹細胞と多血小板血漿及びα-/β-tri-calcium phosphate(TCP)足場材料を組み合わせて検証した。 実験当初、骨増生を行うために最適な足場材料の整形方法を検討した。α-及びβ-TCPを圧縮整形した構造物(天板部と3本の支柱部からなる足場材料)を作製し、実験動物(F344ラット)頭蓋骨に作製した直径6mmの全層骨欠損に植立した。結果、足場材料の支柱部分の機械的強度不足が確認されたため、足場材料の整形方法を再検討した。次に同材料を円筒状に整形した足場材料を作製し、頭蓋骨上への移植実験を実施した。さらに整形足場材料と脂肪組織幹細胞及び多血小板血漿の混合物を円筒状足場材料の内部に移植し、足場材料内部に再生される骨量を足場材料単独移植と比較検証した。評価方法として、移植4週間後にマイクロCTによる頭蓋骨上の硬組織再生体積の計測、及び組織学的観察を実施した。 結果、足場材料単独では足場材料内部における硬組織再生は低く、骨増生、すなわち作製した骨欠損量以上の骨再生は認められなかった。しかし、脂肪組織幹細胞と多血小板血漿の混合物を足場材料内部に移植した場合、骨欠損部上にも骨再生が確認された。また足場材料による骨再生能を比較した結果、α-TCPと脂肪組織幹細胞及び多血小板血漿の組み合わせが最も効果的であった。 今回、骨増生を目的とし、脂肪組織幹細胞と多血小板血漿及びTCPの組み合わせによる検証を実施した。これらの組み合わせは自己由来材料と人工材料の組み合わせであるため、臨床応用を考えた際に安全性が高く実用的と考えられた。しかし、骨増生の制御及び増生した骨の由来等は未解明であることから、今後も詳細な検証が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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