2010 Fiscal Year Annual Research Report
心肺蘇生後脳保護における二酸化炭素の有効性に関する実験的研究
Project/Area Number |
22592008
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大嶋 清宏 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60361375)
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Keywords | 温阻血 / 虚血再灌流傷害 / ATP感受性Kチャンネル |
Research Abstract |
狭心症等に使用されるニコランジルはATP感受性Kチャンネル(K_<ATP> channel)開口作用と亜硝酸様作用を合わせ持つといわれている.小腸温虚血再灌流傷害に対するニコランジルの有用性に関して検討した.8-12kgの成犬を全身麻酔,気管挿管下に人工呼吸器管理とし,上腸間膜動脈(SMA)および静脈(SMV)を2時間遮断後に解除し,その後12時間の観察を行った.対象を3群に分けた(各n=6);虚血60分前にニコランジル100μg/kgを経静脈的にボーラス投与し,その後同剤を20μg/kg/minの濃度で遮断直前まで持続静注した群(ニコランジル群),ニコランジル群と同じタイミングで生食を投与した対照群,そしてK_<ATP> channel閉鎖作用を有するグリベンクラミド(0.3mg/kg)を虚血180分前に経口投与した後ニコランジル群と同様にニコランジル投与を行った群(グリベンクラミド群).SMA血流量,小腸粘膜組織血流量,粘膜内pHおよび病理組織学的検討を3群間で行った.結果として,経過中のSMA血流量,小腸粘膜組織血流量および粘膜内pHはニコランジル群が他の2群に比較して有意に良好であった,しかしながら,対照群とグリベンクラミド群にはこれらのパラメーターに関して有意差はみられなかった.また,病理組織学的検討では,虚血再灌流後の小腸粘膜の傷害度に関して,ニコランジル群が他の2群に比較してより軽度であった.これらの結果から,ニコランジルは小腸の虚血再灌流傷害を抑制する効果があり,その効果にはK_<ATP> channelが重要な役割を担っていると考えられた.
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Research Products
(4 results)