2010 Fiscal Year Annual Research Report
経時的脳内酸化ストレス評価に基づく重症脳障害患者の抗酸化治療の有効性に関する研究
Project/Area Number |
22592016
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
黒田 泰弘 香川大学, 医学部, 教授 (80234615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河北 賢哉 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10505803)
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Keywords | 重症脳障害 / マイクロダイアリシス / 嫌気性代謝 |
Research Abstract |
3年計画の1年目として、平成22年度は、救命救急センターICUの重症脳障害患者5例(頭部外傷2例、くも膜下出血3例)にマイクロダイアリシスモニタリングを行った。マイクロダイアリシスの基本項目(glutamate,glycerol,lactate/pyruvate比,glucose)の測定は、受傷・発症から約2週間継続して1時間毎に行った。 脳内酸化ストレスマーカーはまだ十分評価できていないので、重症頭部外傷(Glasgow Coma Scale 3~13)8例に関して前年からの症例もまとめて解析したものを報告する。びまん性軸索損傷3例、脳挫傷2例、急性硬膜外血腫2例、急性硬膜下血腫1例と病態が混在しているため明確なことは言えないが、重症頭部外傷ではlactate/pyruvate比の高値が持続し、その値が変動する症例では予後不良の傾向にあった。繰り返す皮質拡延性抑制(cortical spreading depression : CSD)が予後不良群において認められるlactate/pyruvate比の大きな変動の要因の一つと考えられる。 マイクロダイアリシス測定はプローブ挿入部局所の病態を検出するのみであり、空間的に多様性に富んだ重症頭部外傷の病態把握には、他のmodalityとの併用が必須である。また、マイクロダイアリシスを治療法決定のために手段として用いるには、今後、さらなる検証が必要である。
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Research Products
(2 results)