2011 Fiscal Year Annual Research Report
経時的脳内酸化ストレス評価に基づく重症脳障害患者の抗酸化治療の有効性に関する研究
Project/Area Number |
22592016
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
黒田 泰弘 香川大学, 医学部, 教授 (80234615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河北 賢哉 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10505803)
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Keywords | 重症脳障害 / マイクロダイアリシス / 嫌気性代謝 |
Research Abstract |
重症頭部外傷15例にマイクロダイアリシス(MD)モニタリングを行い、基本項目(glutamate, glycerol, lactate/pyruvate比,glucose)の測定は、受傷・発症から約2週間継続して1時間毎に行った。脳ヘルニア例あるいはモニタリング期間が24時間未満の症例は除外した。 びまん性軸索損傷4例、脳挫傷4例、急性硬膜外血腫4例、急性硬膜下血腫3例を対象とし、1508サンプルを解析した。脳灌流圧と即パラメータとの相関は、転帰良好6例中1例、転帰不良例9例8例に認め、転帰不良例で高率に認めた。び漫性脳損傷例(転帰不良)においてもMDプローブを正常部位に留置した症例においては、MDパラメータは正常域であった。 心停止後昏睡例11例にもMDモニタリングを行い、1287サンプルを解析した。他のパラメータに比してglycerolは初期値が著しく高値の2例は転帰不良であり、glycerolは細胞膜破壊の程度すなわち重症度を示すことが示された。また抗脳浮腫薬glycerol使用時には、これにMD glycerol値が影響され、その評価は難しいことが判明した。低体温療法の復温時のglycerol増加には全身脂質細胞分解の影響を除外して考える必要がある。 MD測定はプローブ挿入部局所の病態を検出するのみであり、空間的に多様性に富んだ重症頭部外傷の病態把握には、他のmodality(脳灌流圧、局所脳酸素分圧、局所脳血流など)との併用が必須である。 MDを治療法決定のために手段として用いるには、今後さらなる検証が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究施行に必要なマイクロダイアリシスプローブが急遽入手不可能となった。現在調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究施行に必要なマイクロダイアリシスプローブが急遽入手不可能となった。現在調整中である。
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Research Products
(3 results)