2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌予防ワクチンの開発に向けた癌原性口腔レンサ球菌表層抗原の同定
Project/Area Number |
22592046
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 実 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (40187133)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | S. anginosus / フィブロネクチン結合タンパク質 / 付着因子 |
Research Abstract |
Streptococcus anginosusは口腔常在菌の一菌種で病原性は低いと考えられているが,近年,口腔癌をはじめ種々の消化器癌との関連が示唆されている.しかし,現在,本菌の生物発癌に関わる病原因子の解析はほとんどなされていない.そこで本研究では,S. anginosusの宿主細胞への付着因子を同定し,病原性発現機序の一端を解明するとともに,本付着因子の口腔癌予防ワクチンとしての可能性を検討した. 昨年度までにS. anginosusの上皮細胞付着に関わるフィブロネクチン結合タンパク質遺伝子fbp62を同定した.さらにFbp62の組換えタンパク質およびfbp62欠損S. anginosus株を作製し,本菌のFbp62がフィブロネクチンおよび上皮細胞へ重要な役割を演じていることを明らかにした. 本年度はこれまでのin vitroの実験に加え,実験動物を用いたin vivoの実験を行い,本付着因子,Fbp62のS. anginosus感染における病原因子としての役割,また,そのリコンビナントタンパク質のワクチン(感染防御)抗原としての可能性について検討した.その結果,S. anginosus fbp62欠損株は野生株に比べマウスに対する生存率が有意に低く,膿瘍形成能が弱かった.また,あらかじめFbp62を免疫し特異抗体の産生が認められたマウスでは,S. anginosus感染による生存率を有意に上昇させた. 以上の成績から,S. anginosusのFbp62は上皮細胞へのフィブロネチンを介した付着機序に重要な病原因子として働き,本菌の病原性発現に深く関与していること,また,その組換えタンパク質はS. anginosusによる生物発癌に対する感染防御抗原(ワクチン)として働く可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Subcutaneous tissue reactions against nano-apatite collagen composites.2012
Author(s)
Hatakeyama, W., Taira, M., Y., Kihara, H., Sasaki, M., Kimura, S., Kondo, H.
-
Journal Title
Nano Biomedicine
Volume: 4
Pages: 118-124
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-