2011 Fiscal Year Annual Research Report
Sez12ノックアウトマウスで認められた顎形態異常の分子機序に関する研究
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22592050
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
梶原 景正 東海大学, 医学部, 講師 (00204397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
渡部 聡 農業生物資源研究所, 動物科学家畜ゲノム, 主任研究員 (80391572)
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Keywords | Sez12 / ノックアウトマウス / Tbx1 / GFP / 関節軟骨 / 鼻中隔 |
Research Abstract |
【Sez12欠失マウス(Sez12-KOマウス)のノックインGFP発現を指標としたSez12発現解析】 私が作製したSez12-KOマウスでは、ノックインした緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を内在性Sez12プロモーターにより発現させ、Sez12発現動態を解析している。今年度はSez12-KOマウスで認められる顎顔面形態異常の原因についてGFP発現を指標にして検討した。骨格系組織でのGFP発現は、形成異常が認められた鼻中隔軟骨めみならず、関節軟骨でも認められ、骨形成におけるSez12の重要性が伺える。また軟骨形成不全症で認められる上顎骨低形成所見からも、Sez12欠失による軟骨細胞の機能不全が予想された。 【Tbx1欠失マウス(Tbx1-KOマウス)とSez12-KOマウスとの交配による表現型の解析】 Lindsay博士のグループにより分与されたTbx1-KOマウス(Lindsay et al,nature 410,97-101)とSeZ12-KOマウスとの交配でダブルノックアウトマウス(Tbx1/SeZ12-KOマウス)を作製した。三次元的CT解析によりTbx1/Sez12-KOマウスでは上下顎とも形成不全となったが、その程度は単独の遺伝子欠失の病態と同じであり、Sez12-KOによる病態形成はTbx1-KOから独立していた。 【Sez12シグナル伝達経路の解析】 膜タンパク質であるSez12がどのようなシグナル伝達経路に活性をもつか、Sez12イムノグロブリン融合タンパク質を作製し、Sez12と親和性をもつ細胞内シグナル分子をプルダウンアッセイにて分子量150Kの機能分子を単離することができた。現在TOF-MS解析による機能分子の同定をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通り、Sez12タンパク質が活性をもつ細胞内シグナル伝達経路の解明のため、Sez12タンパク質と親和性のある150Kの機能分子を単離することができた。しかしシグナル分子同定のためTOF-MS解析用のサンプル回収に手問取った。またSez12が軟骨細胞に強く発現することが認められ、顎形態異常の原因がSez12に関わる軟骨または軟骨分化(軟骨肥大分化)に関連するシグナル経路解明の展開になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
Sez12が軟骨細胞、特に骨化に伴う軟骨分化(肥大分化およびアポトーシス)に関する細胞内シグナル経路に活性をもつ可能性が明らかとなり、Sez12直下の機能分子を同定することで、本研究の突破口にしようと考えている。一方、Sez12発現レベルの高い胸腺でもSez12ノックアウトマウスで分化・増殖異常を認めている。従って、Sez12を発現している様々な細胞で、軟骨細胞と共通のSez12シグナル経路が存在している可能性についても検討する。またホモ型Sez12ノックアウトマウスを用いて、Sez12シグナル経路がSez12欠失により消失するのか?またはSez12シグナル経路が別のシグナル経路と一部共有しているのか?について検討し、最終的に顎顔面形態形成におけるSez12の役割を明らかにする。
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Research Products
(6 results)