2010 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面の神経因性疼痛発症機構の組織化学的および神経化学的研究
Project/Area Number |
22592051
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三枝 禎 日本大学, 歯学部, 講師 (50277456)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 美行 日本大学, 歯学部, 講師 (50246906)
|
Keywords | 神経因性疼痛 / 眼窩下神経 / 延髄 / PKCγ / 線条体 / Ca^<2+> / ドパミン / SKF38393 |
Research Abstract |
〔行動学・免疫組織化学・薬理学的実験〕三叉神経領域の神経因性疼痛の維持における延髄のPKCγの関与について検討した。実験には,片側の眼窩下神経(ION)を4.0クロミックガットで緩く2糸結紮して眼窩下神経障害(ION-CCI)を行ったラットを用いた。ION-CCIラットは,術前と比べ術後1~14日目まで障害側の口髭部への機械刺激に対する逃避閾値が低下し続けた。このラットの延髄の障害側では,術後3,7,14日目にそれぞれPKCγが増加した。PKCγ抑制剤のchelerythrineをION-CCI手術後1~7日目まで髄腔内投与したところ,機械刺激に対する逃避閾値の低下と延髄のPKCγの増加はそれぞれ打ち消されたが,いずれもこのchelerythrine処置を中止すると再び認められた。 以上のことから,延髄のPKCγはION領域での神経因性疼痛の維持に関わることが示唆された。 〔神経化学的実験〕D_1受容体作動薬のSKF38393(SKF)のラットの線条体への局所投与による同部位のドパミン(DA)放出を,Ca^2+除去灌流液が抑制するか脳微小透析法で検討した。Ca^<2+>の減少で血管が拡張し,DAは血流へ移行すると推測されるので,Ca^<2+>除去下でSKF処置後にみられたDAを血管収縮薬(oxymetazoline,felypressin)が増加するかについても検討した。SKFの線条体への投与(0.5興g)で同部位のDAは増加したが,投与後40~180分の効果がCa^<2+>除去灌流液で消失し,D1受容体拮抗薬(SCH23390)で減弱した。灌流液のCa^<2+>を除去しSKF処置をしたところ,本処置後のDAを血管収縮薬は増加した。 以上の結果から,SKFのCa^<2+>依存性DA放出にD_1受容体刺激が一部関わること,また,Ca^<2+>非存在下ではSKFにより増加した細胞外DAの血流への移行が高まることが示唆された
|
Research Products
(6 results)