2012 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺組織幹細胞の同定と唾液分泌細胞への分化遺伝子の解明
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22592056
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Research Institution | The Nippon Dental University College at Tokyo |
Principal Investigator |
池田 利恵 日本歯科大学東京短期大学, 歯科衛生学科, 教授 (50168150)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 組織・細胞 / 唾液腺 / 幹細胞 |
Research Abstract |
唾液は消化、口腔衛生状態の保持、口腔粘膜の保護および口腔疾患の予防など、健康な生活を営む上で極めて重要な役割を担っている。唾石症などの排泄管閉塞性疾患、炎症、腫瘍および放射線療法などにより障害が生じた唾液腺には、唾液分泌障害が起こることは良く知られている。また近年、加齢、全身性疾患、ストレスなどの影響により唾液分泌量が減少する口腔乾燥症罹患者が増加しているが、根本的な治療法はいまだに確立されていない。唾液腺の修復過程において重要な役割を果たすとされている、唾液腺組織幹細胞の同定と細胞分化遺伝子の解明を目的として、本研究を実施した。幹細胞を同定し、幹細胞から腺房細胞への分化機序を明らかにすることができれば、唾液分泌機能を有する腺房細胞を確保することが可能となり、口腔乾燥症の治療法の確立の一助になるとともに、国民の口腔の健康増進に貢献ができるものと考えている。 平成23年度は、bromodeoxyuridine (BrdU) を長期間保持する細胞:label-retaining cell を検出する手法を用いて、ラット耳下腺の組織幹細胞の同定を試みたが、BrdUを長期間保持する細胞は極めて少なく、幹細胞の同定のために十分な結果を得ることができなかった。そこで平成24年度は、耳下腺主導管を結紮し耳下腺に損傷を与えることにより、耳下腺に多数の組織幹細胞を出現させることに成功した。導管結紮解除直後から、幹細胞を検出するための抗Musashi-1抗体に陽性を示す細胞が、導管様構造物に一過性に多数出現したことから、唾液腺組織幹細胞は、唾液腺再生過程の初期に出現し、導管様構造物を形成することが明らかとなった。また、組織幹細胞で構成された導管様構造物の周囲には、多数の交感神経の出現が認められたことから、組織幹細胞による耳下腺組織の再生に交感神経が関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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