2012 Fiscal Year Annual Research Report
延髄における嘔吐誘発ニューロンの同定とその機能の解明
Project/Area Number |
22592057
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
舩橋 誠 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80221555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 喜幸 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40344519)
前澤 仁志 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80567727)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 最後野 / 脳スライス / 悪心 / 嘔吐 / 味覚嫌悪学習 / パッチクランプ / ラット |
Research Abstract |
最後野(Area Postrema)は化学受容性嘔吐誘発域としてよく知られているが,最後野内ニューロンの悪心、嘔吐誘発の中枢メカニズムについては不明な点が多くあり,本研究は嘔吐誘発機序と摂食調節に関わるニューロン群がどのようにニューロンネットワークを形成し,それぞれの機能調節にどのように関与しているのを明らかにするために行った。方法として,1)味覚嫌悪学習を用いた行動学的解析,2)脳スライスを用いたパッチクランプ法による電気生理学的解析を用いた。以前の我々の研究によって定義した3タイプの最後野ニューロンの中で,1)少なくともHチャネル発現型ニューロンが悪心誘発に関与していること,2)Hチャネル発現型ニューロンにはアミリン受容体の発現は極めて少なく,シナプス前部にアミリン受容体が存在する投射神経線維とのシナプス結合も希薄であることを電気生理学的解析により明らかにした。また,アミリンは摂食抑制ペプチドホルモンであり,腹腔内投与により悪心を誘発しないことも確認した。これらより,最後野のHチャネル発現型ニューロンは悪心誘発に関与するが,摂食抑制に関する神経ネットワークの一部として機能しているのではなく,悪心誘発を特異的に担当している可能性が示唆された。さらに,同じく摂食抑制ペプチドホルモンであるコレシストキニン(CCK)に対する応答はHチャネル発現型ニューロンには少なく,Hチャネル非発現型ニューロンに対して,これに接続するシナプス前CCK受容体を介してグルタミン酸の放出を調節して応答を引き起こすことを明らかにした。この結果は,Hチャネル発現型ニューロンとHチャネル非発現型ニューロンの機能分化の可能性をさらに強く示唆する結果であった。今後,さらに研究を進めて悪心、嘔吐誘発と摂食調節の中枢メカニズムの機能分化の観点から,これらの分子基盤を明らかにしていきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|