2011 Fiscal Year Annual Research Report
舌運動の器用さの神経機構:覚醒動物の大脳体性感覚皮質における多細胞活動の同時記録
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22592058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 孝史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (40250790)
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Keywords | 舌運動 / 体性感覚野 |
Research Abstract |
今年度はまず、舌運動タスクを行わせるための装置の製作に着手した。今年度購入した物品は主に、装置を自作するためのものであり、アクリル板、ネジ類、バネ、電子部品、工作用具などである。膨大な時間をかけてまで自作する利点は、製作費用の問題以外に、一旦作ってしまえば装置の改良が容易であるということである。タスクは当初、二重のスライドドアを異なる方向に舌で開けたのち、その前方にある報酬を舌尖ですくい取るものであった。しかしながら、試作の過程で、2枚目のドアを途中まで開けて舌を差し入れてしまうことがわかったので、さらに3枚目を追加し、2枚目を最後まで開けた時のみ、ばね仕掛けで3枚目が開くよう機構部分を工夫した。このような自発的な連続動作においては、受動的に触刺激を受容する場合と違い、舌運動タスクの各トライアル間で、発火パターンが多様に変化することが予想される。データ解析としては、ある特徴的な発火パターンが出現するニューロンと全く生じないニューロン、などといった分類をすることが望ましい。このためには、トライアル全体をまとめて平均化するのではなく、スパイク列を時系列パターンにもとづきクラスター分けする数値解析が必要になる。これを実現するため、先行論文のアルゴリズムを参照の上、数値計算システムScilab上で、神経スパイク列の発火パターンをクラスター分けするためのスクリプトを作成し、疑似スパイク列を用いたシミュレーションで正常に動作することを確認した。このクラスタリング手法は、事前にクラスター数を設定する必要がなく、最適なクラスター数も決めてくれるという利点を有する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自作の実験装置や、データ解析用スクリプトがほぼ完成したことにより、今後は必要に応じて速やかに改変し対応することが可能となり、実験効率の大幅な向上が見込めるため。
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Strategy for Future Research Activity |
完成した実験装置を用いた記録実験を本格化すると同時に、データ解析用スクリプトを用いたデータ解析を、並行して進める。現時点で予想される問題点については、これらを考慮したうえで、実験装置や、解析スクリプトの改良を行っている。今後、実験データを精査した上で、必要な改良を行っていく。
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