2012 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Bcl11b変異によるマウス過剰歯形成と腸管組織肥機序の解析
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22592062
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三嶋 行雄 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30142029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 美貴 新潟大学, 医学部, 教務職員 (00420307)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / がん抑制遺伝子 / Bcl11b / p53 / Mdm2/HDM2 / 発現制御 |
Research Abstract |
Bcl11bは、転写抑制因子として働くことが知られているが、その分子メカニズムは未だ明らかではない。Bcl11bのS826G/KO変異マウスは過剰歯形成や腸管クリプト細胞での肥厚が観察される。また、Bcl11b+/KOマウスに放射線照射すると、クリプト細胞の回復・再生が野生型より強く認められ、p53陽性細胞数が野生型の60%程度であった。これらのことから、Bcl11bがp53の制御下にあるMdm2/HDM2の発現を抑制することを見出した。 近年、ヒトT細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)で主に亜鉛フンガードメインに位置するBCL11B変異が報告された。そのうちの8個の点変異体発現ベクターを構築し、HDM2転写制御への影響をルシフェラーゼレポーターアッセイ系で調べた。その結果、H445YとH473Qの2つの点変異体がHDM2の転写活性阻害を野生型の49%と58%へと著しく低下させ、その他の6個の点変異体も80%程度に低下した。この阻害効果の低下は、p53が存在する細胞で観察され、p53の欠損した細胞では認められなかった。このことから、BCL11B変異によってp53-HDM2フィードバーク機構に破綻をきたし、細胞増殖を促すことが示唆された。 また、Bcl11b+/KOマウスの腸管では形態や増殖性に変化はみられないが、3Gyのγ線を照射すると、野生型に比べて細胞周期停止の減弱が観察された。これがBcl11bが発現する幹細胞マーカーをもつLgr5陽性細胞でBcl11b片アレル消失したことに起因するのかをLgr5-Cre;Bcl11b-flox/+マウスを用いて調べた。その結果、Creを発現誘導する4OHT投与後のLgr5-Cre; Bcl11b-flox/+マウスでも同様の細胞周期停止の減弱が観察され、Bcl11b消失幹細胞がクリプト形成に強く寄与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)