2011 Fiscal Year Annual Research Report
モノアミントランスポーター細胞膜発現の新規制御機構:ヒスタミンH3受容体の関与
Project/Area Number |
22592065
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
十川 紀夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30236153)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十川 千春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10253022)
宮崎 育子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40335633)
大山 和美 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00253021)
北山 滋雄 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80177873)
|
Keywords | ヒスタミンH3受容体 / モノアミントランスポーター |
Research Abstract |
ヒスタミンH3受容体(H3R)は,自己/他己受容体機能を有することから,ヒスタミン神経系ばかりでなく,モノアミン神経系の神経活動も制御していると考えられている。われわれは,H3Rにモノアミントランスポーター(MAT)輪送活性制御という新たな機能を見出し報告してきたが,この際,H3Rの活性化がトランスポーター輸送活性機能を抑制するのみならず,粥R発現自体がトランスポーター蛋白質の細胞膜への発現を挿制することを認めている。しかし,この細胞膜発現調節に関わる機構については未だ不明のままである。したがって,本課題では,、MAT蛋白質の細胞内輸送に対するH3R発現の影響およびその機序を明らかにすることを目的として,昨年度までに共発現細胞系を構築し,H3Rの細胞内局在およびノルアドレナリントランスポーター(NET)とH3Rとの細胞質内/細胞膜での蛋白質相互作用を検討してきた。昨年度の検討過程において,遺伝子過剰発現時に懲TおよびH3Rの発現ベクターはそれぞれ異なっていたため,ベクター間の導入率の均一化が問題となった。したがって本年度はMATおよびH3Rの同一ベクター上での同種動物由来遺伝子のタンデム発現系を構築し,培養細胞株COS-7にリポフェクション法で遺伝子導入することにより,MATおよびH3Rの安定共発現細胞の作製を図ることにした。しかし,このタンデム発現系の構築がうまくいかなかったことから,トランスポーター定常発現細胞を利用して,当初予定の検討を行った。免疫沈降法などでの検討の結果,同種由来NETおよびH3Rにおいても細胞質内でタンパク質-タンパク質相互作用が起こっていることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの検討で,ラットノルアドレナリントランスボーターのサブクローニングには成功したが,当初目標であったヒトヒスタミンH3受容体のサブクローニング,さらには次善目標であるラットモノアミントランスポーターおよびラットヒスタミンH3受容体遺伝子のタンデム発現系構築が不調に終わったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の方向は変更しないが,上記の不首尾を克服すべく,ラットモノアミントランスポーターの定常発現培養細胞を構築し,この定常発現細胞にヒスタミンH3受容体遺伝子を導入することにより,両遼伝子とも外部より導入する実験系よりも,より生理的状態に近い条件での蛋白質-蛋白質相互作用を検討すべく検討材料を変更する。
|