2010 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Dec2とSoxファミリー蛋白の相互作用による軟骨分化制御機構
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22592067
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 勝巳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40294566)
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Keywords | 軟骨分化 / 転写因子 |
Research Abstract |
組換えアデノウイルスによるDec2強制発現系を用いて、軟骨分化に対するDec2過剰発現の影響について解析した。 軟骨分化誘導14日、21日、28日目の軟骨細胞凝集塊を比較したところ、Mock群、コントロールのアデノ-LacZ感染群と比べ、アデノ-Dec2感染群では細胞凝集塊の大きさが小さくなっていた。次に、軟骨分化誘導21日目のグリコサミノグリカン(GAG)量を測定した結果、1細胞凝集塊当たりのGAG量はアデノ-Dec2感染群でMockおよびAd-LacZ感染群と比較して有意に減少しており、DNA量当たりのGAG量(GAG/DNA比)についても、アデノ-Dec2感染群が他の2群と比較して、有意に小さな値を示した。 トルイジンブルー染色による組織化学的評価により、Mock、アデノ-Dec2、アデノ-LacZ感染群のいずれにおいても分化誘導14日目から28日目までに、プロテオグリカンの染色レベルが経日的に増加した。しかしアデノ-Dec2感染群では、分化誘導開始21日目、28日目において、他群に比べて染色された領域が減少した。一方、細胞密度は分化誘導14日目までは3群間に大きな差は認められなかったが、分化誘導21日目、28日目には細胞外基質の蓄積のためMockおよびアデノ-LacZ感染群で減少し、成熟軟骨細胞の特徴である細胞周囲のlacuna(陰窩)も観察された。しかし、アデノ-Dec2感染群では分化誘導21日目、28日目でも細胞密度が高く、lacunaを有する細胞数も他の2群と比較して少なかった。
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Research Products
(6 results)