2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着を分解するグルタミン酸特異的プロテアーゼスーパーファミリの解析
Project/Area Number |
22592070
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
根本 優子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10164667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 孝幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90164665)
木村 重信 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (10177917)
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Keywords | ブドウ球菌 / セリンプロテアーゼ / 酵素 / リコンビナントタンパク質 / 病原因子 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は化膿性疾患や肺炎,腸炎,食中毒などの感染性疾患を引き起こす.また,その多剤耐性菌は院内感染の主要な原因細菌でもある.ゲノム解析から本菌は11種類のグルタミン酸(Glu)特異的プロテアーゼ遺伝子を保有しているものと推定されるが,なかでも細胞外分泌性のV8プロテアーゼ(GluV8)は,フィブロネクチンやコラーゲン等の細胞間接着因子を分解し,また,細菌表層付着性タンパク質を修飾することから,本菌に起因する多様な疾患の原因因子となっている.本研究では,Glu特異的プロテアーゼファミリーの酵素活性の詳細とその活性化機構を明らかにする目的で,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が発現するGluV8ファミリープロテアーゼの遺伝子配列を決定し,GluV8,及びStaphylococcus epidermidis由来酵素(GluSE)とともに,これらの酵素活性について検討し,以下の知見を得た. 1.Staphylococcus caprae (GluScpr)及びStaphylococcus cohnii (GluScoh)由来の同族遺伝子配列を決定した. 2.Glu特異的プロテアーゼファミリーのアミノ酸配列の比較検討から,活性型プロテアーゼのアミノ末端であるValは保存されており,Val_1はプロ配列-成熟酵素間の限定分解とプロテアーゼの基質特異性の発現に必須であることを明らかにした. 3.GluV8では段階的な加水分解によってプロ配列の短縮化が起こり,プロ配列の短縮化により最終的な活性型酵素への転換が顕著に促進されることを明らかにした.
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Research Products
(6 results)