2011 Fiscal Year Annual Research Report
顎下腺細胞におけるIP3産生の時空間パターンの蛍光分子センサーによる解析
Project/Area Number |
22592073
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
東城 庸介 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90111731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 明彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70217149)
根津 顕弘 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00305913)
森田 貴雄 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (20326549)
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Keywords | 唾液腺 / 顎下腺 / イノシトール三リン酸 / LIBRA / IP_3 / Ca^<2+> / イメージング |
Research Abstract |
1.細胞質発現型LIBRA(cLIBRAvIIs)のアデノウイルス発現ベクターを精製し、そのウイルス粒子をラット顎下腺の開口部から逆行性に注入した。注入後1~2日で顎下腺を摘出し、発現したcLIBRAvIIsの蛍光を蛍光実体顕微鏡と共焦点レーザー顕微競で観察した。顎下腺に強い蛍光が観察されたが、舌下線には蛍光発現はみられなかった。 2.cLIBRAvIIsを発現した顎下腺の単離腺房細胞を調製し、3CCDイメージング装置を使って蛍光比の変化をモニターした。100μMカルバコールで刺激したところ、蛍光比の有意な上昇が観察された。 3.顎下腺開口部から逆行性にStim1-mKO1のウイルスベクターを注入し、顎下腺にStim1-mKO1を発現させた。単離細胞にfura-2を取り込ませ、[Ca^<2+>]、の変化をモニターした。Stim1-mKO1発現細胞ではアゴニスト刺激によるCa^<2+>遊離とCa^<2+>流入が増加した。 4.マイクロエレクトロポレーターを使って、精製したcLIBRAvIIsタンパク質の腺房細胞への導入を行った。cLIBRAvIIs蛍光を発現した細胞を100μMカルバコールで刺激すると蛍光比の上昇が観察された。また、βエスチン処理した穿孔細胞を10μM IP_3で刺激したところ同様の蛍光変化が観察された。この結果は、精製したcLIBRAvIIsタンパク質がIP_3プローブとして十分機能することを示している。 IP_3バイオセンサー(cLIBRAvlls)のin vivoおよびin vitroによる発現方法を検討してきた。その結果、唾液腺腺房細胞におけるIP_3動態の解析が可能であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット顎下腺腺房細胞へのLIBRAのin vivo発現に成功した。単離腺房細胞を使ったIP_3濃度の測定を行い、ほぼ期待した結果を得た。また、単離腺房細胞へのLIBRAタンパク質の導入にも成功した。しかし、Ca^<2+>との同時測定は未だ満足できる結果は得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞質発現型LIBRA(cLIBRAvIIs)は蛍光比の変化率が小さく、[Ca^<2+>]iとの同時測定に用いるには難がある。細胞膜発現型のLIBRA(LIBRAvIIs)を作成し、それを使ってIP_3濃度と[Ca^<2+>]iとの同時測光を試みる。LIBRAを細胞膜に発現させることにより、IP_3濃度のより速い変化を検出することが可能であり、変化率の上昇も期待できる。.
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Research Products
(4 results)