2010 Fiscal Year Annual Research Report
β2受容体による細胞内情報伝達の組織多様性に関する研究
Project/Area Number |
22592077
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山田 庄司 昭和大学, 歯学部, 教授 (00111617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 均 昭和大学, 歯学部, 准教授 (90212571)
唐川 亜希子 昭和大学, 歯学部, 助教 (70552280)
竹田 秀 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30376727)
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Keywords | β2受容体 / β2作動薬 / 光学異性体 / アドレナリン / 骨代謝 / 自律神経系 / 交感神経 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
選択的β2アドレナリン受容体作動薬の代表薬であるtulobuterolは、気管支拡張作用を有し、気管支喘息治療薬として用いられている。近年、交感神経系を介した骨代謝調節機構の存在が報告されているが、骨格筋と同様の機序であるのか否か、その詳細は明らかではない。そこで本研究では、RANKL遺伝子を導入した骨髄間質細胞株ST2-T細胞と骨髄細胞による共存培養を用いた。β2作動薬の光学異性体(+)(-)(±)をST-2T細胞に添加する破骨細胞形成系を確立した。RT-PCR法およびWB法により、骨髄問質細胞および骨芽細胞でβ2アドレナリン受容体の発現が確認された。ところが、血管平滑筋弛緩作用を持たない(+)体tulobuterolが最も強く破骨細胞形成を促進した。また、β2アドレナリン受容体拮抗薬であるbutoxamineにより、各種tulobuterolによる破骨細胞形成は阻害された。一方、骨髄細胞単独培養系に各tulobuterolを添加しても、破骨細胞は形成されなかった。さらに(+)tulobuterol添加によりST2-T細胞におけるreceptor activator of NF-kB ligand(RANKL)mRNAの発現亢進よびcyclic adenosine 3'5'-monophosphate (cAMP)が最も強く上昇した。(+)体選択的β2アドレナリン受容体作動薬による破骨細胞形成には、骨格筋同様にcAMP伝達系が関与していることが推察された。以上の結果から、筋への作用を持たない(+)体tulobuterolが骨芽細胞のβ2アドレナリン受容体を介して、RANKL発現を亢進させ破骨細胞へと分化させることが明らかになった。
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[Journal Article] Maf promotes osteoblast differentiation in mice by mediating the age-related switch in mesenchymal cell differentiation2010
Author(s)
NishikawaK., Nakashima T., Takeda S., Isogai M., Hamada M., Kimura A., Kodama T., Yamaguchi A., Owen M.J., Takahashi S., and Takayanagi H
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Journal Title
J Clin Invest
Volume: 120
Pages: 3455-3465
Peer Reviewed
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