2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592080
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
千葉 忠成 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (60350138)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / MALT1 / 浸潤 / 細胞周期 |
Research Abstract |
Mucosa-associated lymphoid tissue 1 (MALT1) は、T細胞やB細胞の抗原受容体を介して、CARNA1-Bcl10-MALT1複合体を形成し、転写調節因子NF-kBを活性化することでシグナルを伝達する事がわかっている。しかし、上皮系では口腔癌の進展に関わる形質変化、浸潤、増殖動態などの制御について、そのターゲット因子や制御機構に関してはほとんど解明されていない。 本研究では、MALT1が口腔癌細胞の高度悪性形質を抑制する分子機構の解明を目指した。口腔癌細胞(mock-HSC2)にMALT1遺伝子を恒常的に発現する細胞(MALT1-HSC2)を樹立し、発現変動するタンパク質、mRNA、細胞動態などを検証した。 発現変動タンパク質では、MALT1の発現上昇により、腫瘍マーカーとしても用いられるケラチン5と14が減少し、ケラチン8と18が上昇した。細胞動態では、MALT1の発現上昇により、細胞増殖速度が著しく低下した。細胞周期を調べたところ、G1チェックポイントに関与するp21、p27の発現が著しく増加していることから、MALT1が何らかの因子を介して、細胞周期を抑制していることが示唆される。 さらにmRNAの発現変動をDNAマイクロアレイおよびリアルタイムPCRを行ったのち、パスウェイ解析およびGO解析により、癌シグナル、細胞遊走などの機能に関わる遺伝子に大きく影響を与え、特に癌細胞の転移•浸潤に関係するSmadやRasなどのパスウェイに影響を与えていた。MALT1-HSC2ではWound-healingアッセイで創傷治癒速度が減少し、顕微鏡を用いたタイムラプス観察でも、著しく細胞の遊走能が低下している事が認められた。以上のことよ、上皮系細胞では、MALT1は癌の進展を抑制するように働いている事が示唆される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] ヒト扁平上皮癌モデルにおける解析2012
Author(s)
添野雄一, 白子要一, 藤田和也, 田谷雄二, 島津徳人, 中右かよ, 佐藤かおり, 千葉忠成, 今井一志, 青葉孝昭
Organizer
第34回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
横浜市、パシフィコ横浜
Year and Date
20121213-20121216
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