2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592081
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (90239765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
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Keywords | アデノウイルス / NF-kB / ARE |
Research Abstract |
in vitroの感染実験系においてアデノウイルスEIAによるNF-kB抑制には内在性のp53発現が必要であることが証明された。そこで我々はNF-kBとp53の結合を疑い、免疫共沈法によりこの反応を確認した。さらにGSTプルダウン法をあわせて行うことにより、p53のC末端領域に結合ドメインが存在することを突き止めた。しかしながらその生理活性を解析してみるとC末端領域だけでなくN末端領域にも抑制活性に必要な領域があることがわかった。またp53強発現によりNF-kBのサブユニットRe1Aユビキチン化依存的に分解されることを突き止めた。 現在、Re1Aの新規ユビキチンリガーゼの特定を行っている段階である。 次に我々は、両転写因子が直接結合することから自然免疫刺激によって活性化される(核移行)NF-kBがp53の転写活性化能を阻害するのではないかと考え、p21のプロモーター領域を組み込んだルシフェラーゼ・プロモーターを用いて検討した。予想どおり過剰に発現させたNF-kBによりp53の転写活性化能は著しく抑制された。この事実は自然免疫刺激が、がん抑制遺伝子の働きを負に制御している可能性を示すものであり、本研究の目的の一つである、口腔細菌感染による口腔発がんあるいはがんの悪性化のメカニズムの一端を示すものと考えられた。 また、自然免疫刺激によるNF-kB活性化が、一部のAREメッセージの安定化を誘導することも見出されており、自然免疫系のアゴニストが腫瘍プログレッションにおいて重要な役割を有することが証明されつつあると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更予定はない。自然免疫系のアゴニストが腫瘍プログレッションにおいて重要な役割を果たすことを証明していく。
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