2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶カテキンによるシェーグレン症候群の新たな治療法の開発についての検討
Project/Area Number |
22592082
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 恵一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00178477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 士朗 東北大学, 病院, 講師 (80230069)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 緑茶カテキン / 活性酸素 |
Research Abstract |
緑茶カテキンの1つであるepigallocatechin gallate(EGCG)を飲用水に溶解して、自己免疫疾患モデルマウスであるMRL/1prマウスに8週齢~16週齢にかけて1日・1匹平均592μg投与した。EGCG投与後に、EGCG投与マウス10匹と非投与マウス6匹から顎下腺を摘出して、自己免疫唾液腺炎における抗活性酸素物質であるHeme oxygenase-1(HO-1)、活性酸素(ROS)の生成に関連するNADPH oxidaseのsubunitであるgp91phox、ROSによるDNA損傷マーカーであるthymidine glycol(TG)、アポトーシス細胞のマーカーであるssDNAの発現について免疫組織化学的に調べたところ、EGCG投与マウスの顎下腺組織では、非投与マウスに比較して、HO-1の発現が顕著であり、逆にgp91phox、TG、ssDNAの発現が抑制されていた。また、免疫組織化学的局在について、0~3の4段階のスコアで評価し、このスコアに関してEGCG投与マウスと非投与マウス間で発現の割合を比較したところ、両群間に有意差を認めた。また、Kendall順位相関係数を、ssDNAのスコアとHO-1、gp91phox、TGのそれぞれのスコア間で算出したところ、ssDNAとHO-1との間では有意な逆相関が、ssDNAとgp91phox、TGとの間では有意な正の相関が認められた。さらに、HO-1とTG間に有意な逆相関を認めた。以上のことから、EGCGには抗活性酸素作用があり、ROSの生成を阻害して唾液腺組織の損傷を抑制していること、またHO-1がEGCGの抗活性酸素作用に重要な役割を果たしていることが考えられた。
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Research Products
(2 results)