2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592089
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片山 郁夫 長崎大学, 大学病院, 助教 (80295089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
佛坂 由可 長崎大学, 長崎大学病院, 講師 (10244089)
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80284701)
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20300882)
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Keywords | FEN1 / 細胞老化 / p53 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度行ったヒト腎がん細胞株T24を用いたsiRNAによるFEN1遺伝子の抑制の実験を、ヒト線維芽細胞株BJを用い行った。T24はp53遺伝子が変異し不活性であるのに対し、BJはp53が正常に機能している細胞である。すなわち、FEN1抑制による老化促進機序にp53が関与してるかどうかを検討した。 BJを用いたsiRNAによるFEN1遺伝子の抑制の実験により以下の結果を得た。 (1)細胞が突起を伸ばした老化様の形態を示し、さらにSA-β-galactosidaseの活性が上昇した。 (2)p53の発現が上昇し、さらにはp21の発現が認められた。 (3)p53を抑制することで、細胞形態の変化・SA-P-galactosidaseの活性の上昇を抑制した。 さらに、FEN1抗体・テロメアDNAのプローブを用いたChip Assay、FEN1抗体・TRFl抗体による蛍光免疫染色により、FEN1タンパク質がテロメアに結合していることが確認され、FEN1はテロメア近傍でも機能していることが推測された。 以上のことから、BJにおいてもT24と同様にFEN1遺伝子を抑制した際に細胞老化が起こることが示唆ざれた。しかしながら、BJにおいてはp53を抑制することでFEN1抑制による老化促進が抑制されることから、FEN1遺伝子抑制による細胞老化の促進機序には、T24でみられるp53非依存的な経路とBJでみられるp53依存的な経路があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である「FEN1活性を抑制することにより進行する老化の分子生物学的メカニズムの解明」について、p53依存的および非依存的経路があるのではないかということを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、FEN1の拍制による細胞老化におけるp53依存的経路およびp53非依存的経路の詳細を解明するために、T24、BJ以外の細胞について検討を加えたい。さらには我々が樹立したFEN1tgマウスを用い、細胞レベルだけではなく臓器レベルにおいても老化におけるFEN1の関与について研究を進めて行きたい。
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